
「日報を提出させているが、正直読み切れていない」「週報が形骸化していて、何のために書かせているのか分からなくなっている」
こうした悩みを抱える経営者や管理職は少なくありません。日報・週報は本来、現場の状況把握やチームマネジメントに役立つはずのものです。しかし、提出させるだけで活用できていない企業が多いのが実情です。
本記事では、AIを活用して日報・週報を分析・活用する方法を解説します。溜まるだけだったレポートを、経営やマネジメントに活かす資源に変えましょう。
日報・週報が活用できていない3つの原因
まず、なぜ日報・週報が活用できていないのか、原因を整理します。
原因1:読む時間がない
管理職は多忙です。部下全員の日報に毎日目を通し、コメントを返す時間を確保するのは現実的に難しいでしょう。
結果として、日報は提出されるだけで誰にも読まれず、書く側のモチベーションも下がっていきます。
原因2:情報が散在して全体像が見えない
個々の日報には情報が書かれていても、それを集約して全体像を把握する仕組みがないケースが多いです。
「今週、チーム全体でどんな課題が発生したか」「誰がどのプロジェクトで忙しいか」といったことを把握するには、すべての日報を読み込む必要があります。
原因3:過去の情報を参照できない
3ヶ月前の日報を見返したいと思っても、ファイルが散在していて探せない。検索できる仕組みになっていない。こうした状態では、過去の情報を活用することができません。
日報・週報は、蓄積されることで価値が出るものです。しかし、蓄積しても活用できなければ意味がありません。
AIで日報・週報を活用する3つのアプローチ
これらの課題を、AIを活用して解決する方法を紹介します。
アプローチ1:要約・サマリーの自動生成
AIに日報・週報を読み込ませ、要約を生成させる方法です。
たとえば、チームメンバー5人の日報をまとめてAIに渡し、「今日の主な活動と課題を箇条書きでまとめて」と指示すれば、数秒で全体像を把握できるサマリーが得られます。
毎日すべての日報を読む時間がなくても、AIが生成したサマリーを確認するだけなら数分で済みます。気になる点があれば、その人の日報だけ詳しく確認すればよいのです。
アプローチ2:傾向分析・課題抽出
AIは、複数の日報を横断的に分析し、傾向や課題を抽出することも得意です。
「今週の日報から、繰り返し出てくる課題を抽出して」「先月と今月で、業務内容の傾向に変化はあるか」といった指示を出せば、人間が読み込むには時間がかかる分析を短時間で行えます。
特定のプロジェクトに関する記述だけを抜き出す、ネガティブな内容が増えていないかチェックする、といった使い方も可能です。
アプローチ3:過去情報の検索・参照
日報・週報をAIに蓄積しておけば、過去の情報を自然言語で検索できるようになります。
「〇〇プロジェクトでトラブルがあったのはいつ頃だったか」「Aさんが△△の業務を担当したのはいつか」といった質問に、AIが過去の日報から該当箇所を探して回答してくれます。
ファイルを一つひとつ開いて検索する手間がなくなり、過去の情報を活用しやすくなります。
具体的な活用方法
ここからは、より具体的な活用シーンを紹介します。
週次ミーティングの事前準備
週次ミーティングの前に、AIにチームの週報をまとめさせ、「今週の主なトピックと、議論すべき課題」を抽出させます。
これにより、ミーティングの議題設定が効率化され、重要な課題を見落とすリスクも減ります。
1on1の事前確認
部下との1on1ミーティングの前に、その部下の過去1ヶ月分の日報をAIに要約させます。「最近どんな業務に取り組んでいるか」「困っていそうなことはあるか」を把握した上で面談に臨めます。
日報をちゃんと読んでくれている、という姿勢は部下のモチベーションにもつながります。
評価期間のふりかえり
人事評価の時期に、評価対象期間の日報・週報をAIに分析させ、「主な成果」「取り組んだ課題」「成長が見られた点」などを抽出させます。
評価者の記憶だけに頼らず、客観的なデータに基づいた評価が可能になります。評価される側にとっても、日報を書く意味が明確になります。
組織の課題発見
全社員の日報を定期的にAIで分析し、「よく出てくる不満や課題」「特定の部署で頻出するキーワード」などを抽出します。
現場の声を吸い上げる仕組みとして、日報を活用できます。経営層が気づいていない課題を早期に発見できる可能性があります。
実践する際の注意点
AIで日報・週報を活用する際の注意点も押さえておきましょう。
セキュリティ・情報管理
日報には機密情報や個人情報が含まれる場合があります。外部のAIサービスを使う場合は、情報の取り扱いに注意が必要です。
社内で完結するシステムを構築するか、セキュリティ基準を満たしたサービスを選びましょう。
AIの出力は確認が必要
AIが生成した要約や分析は、必ず人間が確認しましょう。重要な情報が抜け落ちていたり、誤解を招く表現になっていたりする可能性があります。
AIはあくまで補助ツールであり、最終判断は人間が行う前提で運用しましょう。
書く側の負担に配慮する
AIで分析・活用することを前提に、日報のフォーマットを細かく指定しすぎると、書く側の負担が増えます。
活用のしやすさと、書きやすさのバランスを考慮しましょう。
導入企業の活用事例
ある従業員20名規模のサービス業の企業では、日報の活用にAIを取り入れています。
以前は、社長がすべての日報に目を通そうとしていましたが、業務が忙しくなるにつれて読み切れなくなっていました。日報を提出させる意味があるのか、という疑問も出ていたそうです。
そこで、日報をAIに読み込ませて週次のサマリーを自動生成する仕組みを導入しました。毎週月曜日に、先週の日報をまとめたレポートが届くようになり、チーム全体の動きや課題を短時間で把握できるようになりました。
また、過去の日報から特定の案件に関する記述を検索する使い方も行っています。「あのクレーム対応、いつ頃どう対応したか」を振り返りたいとき、AIに聞けばすぐに該当箇所が見つかります。
日報が「提出して終わり」から「経営に活かせる情報源」に変わったことで、書く側のモチベーションも上がったとのことです。
マスタングのAI活用支援
当社マスタングでは、日報・週報のAI活用をはじめ、中小企業の業務効率化を支援しています。
「日報を活用したいが、どう仕組み化すればいいか分からない」「AIを業務に取り入れたいが、何から始めればいいか」といったご相談も歓迎です。現状の運用を整理するところから、一緒に進めていきます。
まとめ
日報・週報は、提出させるだけでは価値を発揮しません。AIを活用することで、読む時間がない、全体像が見えない、過去情報を参照できない、といった課題を解決できます。
具体的には、要約・サマリーの自動生成、傾向分析・課題抽出、過去情報の検索といったアプローチがあります。週次ミーティングの準備、1on1の事前確認、人事評価、組織課題の発見など、様々なシーンで活用できます。
溜まるだけだった日報・週報を、経営やマネジメントに活かす資源に変えていきましょう。まずは、今ある日報をAIに読み込ませて、サマリーを生成するところから試してみてください。


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