
求人を出しても応募が来ない。来ても面接に現れない。やっと入社しても、すぐ辞める。
中小企業の採用は年々厳しくなっています。「給料を上げないと人が来ない」と思う社長も多いでしょう。もちろん給与は大事です。でも、求職者が応募を決める前に必ず通る「関門」があります。
それは、あなたの会社のホームページです。
99%の求職者がホームページを確認している
20〜30代の転職経験者を対象にした調査で、求人に応募する前に企業のホームページや採用ページを「確認する」と答えた人は99%でした。ほぼ全員です。
さらに、ホームページがない、または情報が不十分な場合に「応募意欲が下がる」と答えた人は約8割。
つまり、ホームページが貧弱なだけで、10人中8人が応募をやめている可能性があるということです。ハローワークや求人サイトにいくらお金をかけても、ホームページが足を引っ張っていたら意味がありません。
求職者がホームページで見ているのは「3つ」
求職者がホームページで確認しているのは、大きく分けて3つです。
1つ目:この会社は何をしている会社なのか。 事業内容や仕事の中身が具体的にわかるかどうか。「各種サービスの提供」のような曖昧な記載では、何をしている会社か伝わりません。
2つ目:ここで働いたらどんな毎日になるのか。 職場の雰囲気、働いている人の様子、1日の仕事の流れ。求職者が「自分がここで働いている姿」を想像できるかどうかが重要です。
3つ目:待遇や福利厚生はどうなっているか。 給与、休日、残業の実態、有給の取得率。求人票に書いてあることの「裏取り」をホームページでしています。
この3つのうち、1つでも情報が欠けていると、求職者は不安になり、応募をためらいます。
「アットホームな職場です」は逆効果
採用ページでよく見かけるフレーズに注意が必要です。
20〜30代の求職者を対象にした調査で、**「ネガティブな印象を受ける定型文」の1位は「アットホームな職場です」**でした。2位は「実力主義です」、3位は「バリバリ働ける方歓迎します」。
本来はポジティブな言葉のはずですが、使い古された結果、「ブラック企業が好んで使うフレーズ」として認識されています。
ではどう書けばいいのか。具体的な事実を書くのが正解です。
「アットホームな職場です」→「社員12名。部署の壁がなく、月1回の全体ミーティングで全員が意見を出します」
「実力主義です」→「入社3年目で主任に昇格した社員がいます。評価基準は○○と○○で、半年ごとに面談を実施しています」
抽象的なキャッチフレーズではなく、数字と事実で語る。 これだけで、求職者の受ける印象は大きく変わります。
採用専用ページがなくても、最低限やるべきこと
「うちは中小企業だし、立派な採用サイトなんて作れない」という社長もいるでしょう。
大丈夫です。専用の採用サイトがなくても、既存のホームページに情報を追加するだけで十分効果があります。
最低限、以下の情報を載せてください。
会社の仕事がわかる写真を3枚以上。 社員が実際に働いている写真、職場の写真、使っている道具や機材の写真。スマホで撮ったものでもOK。「社員の顔写真がない・暗い」は、求職者が応募をためらう要因として上位に挙がっています。
具体的な仕事内容。 「現場作業」ではなく「どんな現場で、何をするのか」を書く。1日の流れを簡単に書くだけでも、求職者は自分が働くイメージを持てます。
待遇の数字。 月給の範囲、年間休日数、残業の目安。曖昧にしている会社が多いですが、数字を出しているほうが信頼されます。書きたくない気持ちはわかりますが、求職者は「書いていない=隠したいほど悪いのでは」と受け取ります。
最終更新日がわかる状態にする。 採用情報が「2022年度」のまま放置されているホームページは少なくありません。ある調査では、情報が古いと感じた求職者の約30%がその時点で志望度が下がったと回答しています。年度が変わったら、内容に変更がなくても日付だけは更新してください。
社長の一言。 どんな想いで会社を経営しているか、どんな人と一緒に働きたいか。2〜3行でいいので、社長自身の言葉で書いてください。コーポレートサイトの定型文ではなく、「人」が見える文章が求職者には響きます。
応募の後も、ホームページは見られている
もう1つ大事なことがあります。
求職者の約7割は、応募した後にも企業のホームページを再訪問しています。 特に「応募から面接までの間」に再度チェックする人が半数以上です。
つまり、面接に来るかどうかも、ホームページの内容に左右されているということです。応募があったのに面接に来ない「面接キャンセル」が多い会社は、ホームページの情報不足が原因かもしれません。
さらに、内定後にもホームページを見直す求職者がいます。内定辞退を防ぐためにも、ホームページの情報は常に最新にしておく必要があります。
ホームページだけでは終わらない。口コミも見られている
求職者の情報収集はホームページだけで終わりません。調査によると、約87%の求職者がホームページ以外でも情報収集を行っています。 中でも多いのが、口コミサイトとSNSです。
Googleで会社名を検索すると、Googleビジネスプロフィールの口コミが目に入ります。ここに低評価の口コミが放置されていたり、口コミが1件もなかったりすると、求職者は不安を感じます。
既存の社員やお客さんに口コミを書いてもらうこと、そしてもらった口コミには必ず返信すること。この2つだけでも、検索したときの印象は大きく変わります。
ホームページ、口コミ、SNS——求職者はあらゆる情報を総合して「この会社に応募するかどうか」を判断しています。ホームページだけ整えればOKではなく、ネット上にある自社の情報全体を「求職者の目」で一度チェックしてみることをお勧めします。
求人にお金をかける前に、ホームページを見直す
採用がうまくいかないとき、多くの社長が「もっと求人広告を出そう」「給料を上げよう」と考えます。もちろんそれも有効ですが、その前にやるべきことがあります。
自社のホームページをスマホで開いて、求職者の気持ちになって見てみてください。
この会社で働きたいと思えるか。必要な情報は揃っているか。写真は載っているか。情報は古くないか。
ホームページは採用活動のインフラです。 どんなに良い求人広告を出しても、ホームページがボロボロなら求職者は離れていきます。逆に、ホームページがしっかりしていれば、求人広告の効果も何倍にもなります。
まずはスマホで自社のホームページを見ること。そして、「もし自分が転職を考えている30代だったら、この会社に応募したいか?」と自問してみてください。答えが「微妙」なら、求職者も同じことを思っています。
写真を3枚追加する。仕事内容を具体的に書く。社長の一言を載せる。どれも1日あれば対応できることです。その1日の作業が、半年後の採用結果を変えるかもしれません。
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