AIで議事録を自動作成する方法を、実際にやってみた

コラム

会議が終わるたびに、誰かが議事録をまとめている。その時間、もったいないと思いませんか。

「AIが議事録を自動で作ってくれるらしい」という話は聞いたことがあっても、実際にどうやるのか、本当に使えるのか、いまいちピンとこない方が多いのではないでしょうか。

そこで今回は、Web制作会社を経営している筆者が、実際にAI議事録ツールを使って社内ミーティングの議事録を自動作成してみました。結論から言うと、使い方次第で十分に実用レベルです。ただし「万能ではない」こともわかりました。その両面をお伝えします。


そもそもAI議事録ツールとは何か

AI議事録ツールとは、会議中の音声をリアルタイムで聞き取り、自動でテキスト化してくれるサービスのことです。

やっていることはシンプルで、**「録音 → 文字起こし → 要約」**という3ステップを、AIが自動で処理します。昔の音声認識と違い、最近のAIは話者の区別(誰が話したか)や、「えーと」「あのー」といった無駄な言葉の除去まで自動でやってくれます。

ツールによっては、会議の内容から「決定事項」「次のアクション」を自動で抽出してくれるものもあります。


実際にやってみた手順

今回は、無料プランがあるツールを使って、約30分の社内ミーティングで試しました。手順はこれだけです。

ステップ1:ツールを起動して録音開始。 パソコンのブラウザでツールを開き、「録音開始」ボタンを押すだけ。特別な機材は使っていません。ノートパソコンの内蔵マイクだけです。

ステップ2:普通に会議をする。 録音中だからといって、話し方を変える必要はありません。普段通りの会議を進めます。

ステップ3:会議が終わったら録音停止。 ボタンを押して数分待つと、文字起こしされたテキストが画面に表示されます。

ステップ4:AIに要約を依頼。 文字起こしされた全文から、要約や決定事項をAIが自動で抽出してくれます。

ここまでで、会議後の作業時間は約5分。以前は30分の会議の議事録を作るのに、30分以上かかっていたことを考えると、大幅な時間短縮です。


やってみてわかった「良かった点」

1. 聞き逃しがゼロになる。

人が手でメモを取ると、どうしても書き漏れが出ます。AIは会議の音声を全部拾っているので、「あのとき何て言ったっけ?」がなくなります。これが想像以上に大きかったです。

2. 会議に集中できる。

メモを取らなくていいので、全員が議論に集中できます。特に、議事録担当になった人が発言しにくくなる問題が解消されました。

3. 共有が一瞬で終わる。

議事録がテキストデータとして残るので、メールやチャットでそのまま共有できます。「議事録ができたら送ってください」→「もうあります」で終わります。


やってみてわかった「注意点」

一方で、「これは気をつけないといけない」と思った点もあります。

1. マイクから遠い人の声は拾いにくい。

ノートパソコンの内蔵マイクだけだと、離れた席に座っている人の発言がうまく認識されないことがありました。会議室で複数人が参加する場合は、外付けのマイクやスピーカーフォンがあったほうが精度は上がります。ただし、Web会議(ZoomやGoogle Meetなど)であれば、各自のマイクから音声が入るのでこの問題はほぼ起きません。

2. 専門用語や固有名詞は間違える。

社内でしか使わない略語や、取引先の社名などは、AIが正しく認識できないことがあります。たとえば「A社」と言ったのに「英者」と変換されたり。これは後から手動で修正する必要があります。ツールによっては、よく使う用語を事前に辞書登録できるものもあります。

3. 文字起こし=議事録ではない。

AIが文字起こししてくれるのは、あくまで「誰が何を言ったか」の記録です。そのままでは発言の羅列にすぎないので、「で、結局何が決まったのか」を整理する工程は必要です。最近のツールは要約機能がついているものも多いですが、100%完璧ではないので、最終的には人の目でチェックする必要があります。

4. 録音していることを参加者に伝える。

当たり前ですが、無断で録音するのはNGです。社内ミーティングであっても「今日は議事録をAIで作るので録音します」と一言伝えるのがマナーです。取引先との会議で使う場合は、事前に許可を取りましょう。


無料で使えるツールはあるのか

あります。2026年2月時点で、無料プランがあるツールをいくつか紹介します。

Notta: 毎月120分まで無料で文字起こし可能。ブラウザでもスマホアプリでも使えます。日本語の精度も高く、まず試してみるならおすすめです。

Googleドキュメントの音声入力: Googleドキュメントを開いて「ツール」→「音声入力」を選ぶだけ。完全無料。ただし話者の区別や要約機能はないので、単純な文字起こし用途になります。

Zoom / Google Meetの自動文字起こし機能: Web会議ツール自体に文字起こし機能がついています。普段からこれらのツールを使っているなら、追加コストなしで始められます。

まずは無料ツールで「自分の会議環境でどの程度使えるか」を試してみるのがおすすめです。有料ツールを検討するのは、それからでも遅くありません。


こんな使い方もできる

議事録以外にも、意外と使い道があります。

お客さんとの打ち合わせ内容の記録。 「言った・言わない」のトラブルを防げます。録音データとテキストの両方が残るので、後から確認できる安心感があります。

採用面接の記録。 面接後に「あの人、何を話してたっけ」となりがちな情報を正確に残せます。複数の候補者を比較するときにも便利です。

社長の思いつきメモ。 車の移動中や出張先で思いついたアイデアを、スマホに向かって話しかけるだけでテキスト化。後でChatGPTに要約させれば、ちゃんとしたメモになります。


導入前に社長が考えておくこと

AI議事録ツールを導入するとき、ツール選びよりも先に決めておいたほうがいいことがあります。

「どの会議で使うか」を決める。 すべての会議に導入する必要はありません。定例の社内ミーティングや、お客さんとのオンライン打ち合わせなど、議事録が必要な会議に絞って使うほうが定着しやすいです。

「誰が最終チェックするか」を決める。 AIが作った議事録をそのまま社外に出すのは危険です。固有名詞の誤変換や、ニュアンスの取り違えがある可能性があります。「AIが下書きを作り、人が仕上げる」という役割分担を最初に決めておくと、運用がスムーズになります。

「録音データの管理ルール」を決める。 会議の音声データは機密情報を含むことがあります。クラウドに保存される場合、どこのサーバーに保存されるのか、一定期間で自動削除されるのかなど、セキュリティ面は事前に確認しておきましょう。


まとめ

AI議事録ツールは「完璧な議事録を全自動で作ってくれる魔法の道具」ではありません。でも、議事録作成にかかる時間を7〜8割は削減できる、実用的な道具です。

導入のハードルも低く、無料ツールなら今日から試せます。「まずは次の社内ミーティングで録音ボタンを押してみる」——それだけで、会議後の30分が取り戻せるかもしれません。

議事録に限らず、AIを業務にどう活かすかは、まず小さく試してみることが一番の近道です。


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