
「ChatGPT、一回使ったけど、なんか微妙だったからやめた」
中小企業の社長さんと話していると、こういう声をよく聞きます。試した時期を聞くと、だいたい2023年か2024年の前半。つまり、2年前のChatGPTの印象で「AIってこんなもんか」と判断して、そのまま止まっているのです。
これ、かなりもったいない話です。
2025年8月にGPT-5がリリースされて以降、ChatGPTは別物と言っていいレベルで進化しています。この記事では、「最近のAIがどれくらい変わったのか」を、中小企業の仕事に関係のある部分に絞ってお伝えします。
2年前のChatGPTと今のChatGPTは、まったくの別物
2023年に話題になったChatGPTは、GPT-3.5というモデルでした。「質問すると何か返してくれるけど、嘘も多いし、なんか薄い」。あの頃の印象は、正直その通りでした。
その後、GPT-4、GPT-4o、そして2025年8月にGPT-5がリリースされました。現在はさらにGPT-5.2まで進化しています。
何がどう変わったのか。専門的な性能指標はいくらでも出ていますが、中小企業の実務で体感できる違いに絞ると、大きく3つあります。
変化① 回答の質が「それなりの答え」から「使える答え」になった
2年前のChatGPTに「うちの業界のSEO対策を教えて」と聞くと、どの業界でも当てはまるような一般論しか返ってきませんでした。
今のGPT-5に同じことを聞くと、業界の特性を踏まえた、具体的な回答が返ってきます。 たとえば「運送業のホームページで、検索から問い合わせを増やすにはどうすればいいか」と聞けば、「地域名+運送」「法人向け配送+○○地域」といった具体的なキーワードの提案や、運送業ならではのコンテンツの方向性まで出してくれます。
もちろん、出力された内容をそのまま使えるわけではありません。でも、「たたき台」としての質は雲泥の差です。以前は使い物にならないたたき台を直すのに時間がかかっていたのが、今は最初からかなり近い位置から修正できる。この差は大きい。
変化② 「聞く」だけじゃなく「やらせる」ことができるようになった
2年前のChatGPTは、文字通り「チャット」でした。質問して、答えを読む。それだけ。
今のChatGPTは違います。
ファイルを読み込ませて分析させることができます。 たとえば、Excelの売上データを渡して「月別の推移をグラフにして」と頼めば、その場でグラフを作ってくれる。見積書のPDFを読ませて「この見積もりの項目を表にまとめて」と頼むこともできます。
Web検索をして最新情報を調べることもできます。 以前は学習データの範囲内でしか答えられませんでしたが、今はリアルタイムでインターネットを検索して、最新の情報に基づいた回答を出してくれます。
画像を生成することもできます。 「うちの新サービスのバナーイメージを作って」と頼めば、たたき台としては十分な画像が出力される。デザイナーに依頼する前の方向性確認にも使えます。
これらの機能の多くは有料版(月額約3,000円のPlus)でフルに使えますが、無料版でも制限付きで体験できます。 まずは無料版で試して、「これは仕事に使える」と思ったら課金する。この順番で十分です。
変化③ 「AIエージェント」——言われたことだけじゃなく、自分で判断して動くAIが出てきた
これは2026年の最大のトレンドなので、少し詳しく説明します。
従来のAIは、**「聞いたことに答える」**ものでした。人間が質問して、AIが返答する。その繰り返し。
今登場し始めているのが「AIエージェント」と呼ばれるタイプのAIです。これは、指示を受けたら、自分で複数のステップを考えて、必要な作業を順番に実行するAIです。
たとえば、「来週の会議のためにA社の最新ニュースを調べて、要約して、報告用の資料にまとめておいて」と頼む。従来のAIなら、この指示を分割して一つずつ人間がやる必要がありました。エージェント型AIは、検索→要約→資料作成を一連の作業として自分でやりきります。
ChatGPTにもこのエージェント機能が搭載され始めています。OpenAIは「ChatGPT agent」として、複雑なタスクを自律的に実行できる機能を展開中です。
これが中小企業にとってどういう意味を持つか。「人手が足りない」という中小企業の最大の悩みに対して、AIが部分的に”もう一人分”の働きをしてくれる可能性があるということです。
まだ発展途上の技術ですが、2026年中にかなり実用的なレベルになると予測されています。今のうちに「AIに仕事を頼む」感覚に慣れておくことには意味があります。
ChatGPTだけじゃない——Claude、Geminiも知っておく
AIの進化はChatGPTだけの話ではありません。2026年現在、主要なAIサービスは3つあります。
ChatGPT(OpenAI)。 最も有名で、ユーザー数が最も多い。GPT-5.2が最新。汎用性が高く、何でもそこそこ以上にできるのが強み。
Claude(Anthropic)。 長い文章の処理や、丁寧な日本語の生成が得意。私たち株式会社マスタングでは、ブログ記事の作成やお客さんへの提案資料の作成ではClaudeを多用しています。「文章の質」を重視するならClaudeが一歩リードしている場面が多いと感じます。
Gemini(Google)。 Googleのサービスとの連携が強み。Gmail、Googleスプレッドシート、Googleドキュメントなどを日常的に使っている会社なら、業務との相性が良い。月間7.5億人以上が利用しているという数字も出ています。
どれか1つに絞る必要はありません。「この作業はChatGPT、この作業はClaude」と使い分けるのが、今の実務における最適解です。すべて無料版があるので、まずは3つとも触ってみて、自分の仕事に合うものを見つけるのが一番です。
無料版と有料版、中小企業はどちらを使うべきか
結論から言うと、まず無料版で1週間使ってみてください。 それで「仕事に使える」と感じたら、月額約3,000円のPlusに課金する価値は十分にあります。
1日あたり約100円です。その100円で、毎日のメール文面の作成、議事録の要約、競合の調査、ブログ記事のたたき台作成など、**「やらなきゃいけないけど後回しにしがちな作業」**をAIに手伝ってもらえるなら、投資としては安いと感じる人が多いはずです。
ただし、いくつか注意点があります。
AIの回答を鵜呑みにしないこと。 性能が上がったとはいえ、間違った情報を自信たっぷりに答えることはまだあります。最終確認は必ず自分の目で。
機密情報をそのまま入力しないこと。 顧客情報や契約内容など、外部に出してはいけない情報をChatGPTに入力するのは避けましょう。
「AIに全部任せる」ではなく「AIと一緒にやる」という感覚で使うこと。 AIは優秀なアシスタントですが、あなたの会社の事情や、お客さんとの関係性までは知りません。AIの出力に、あなた自身の判断と経験を足す。この組み合わせが最強です。
まとめ:止まっている間に、世界は進んでいる
2年前にChatGPTを触って「こんなもんか」と思った人へ。今のAIは、あの頃とは完全に別のレベルにいます。
GPT-5の登場で回答の質は飛躍的に上がり、ファイル分析やWeb検索もできるようになった。そしてAIエージェントという新しいタイプのAIが、人間の仕事を実質的に手伝える段階に入りつつあります。
「うちみたいな小さい会社にAIは関係ない」と思っている方ほど、一度試してみてください。ChatGPTを開いて、「うちの会社の○○について、改善策を5つ提案して」と打つだけ。3分あれば試せます。
2年前とは違う答えが返ってくるはずです。
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