
「Claude in Excel」は、Microsoft Excelの中でClaude(AI)を直接呼び出して、スプレッドシートの分析・編集・グラフ作成などを任せられる機能です。2026年1月24日にベータ版としてリリースされました。
「Excelの関数がわからない」「データはあるけど分析の仕方がわからない」「毎月同じような集計作業に時間を取られている」——こんな悩みを持つ方にとって、かなり実用的な機能です。
Excel画面の右側にチャット欄が表示され、「このデータをグラフにして」「売上の前年比を計算して」と日本語で指示するだけで、Claudeがセルに直接データを入力したり、数式を作成してくれます。
この記事では、Claude in Excelでできること・始め方・Copilotとの違い・中小企業での活用例・注意点をわかりやすく解説します。
目次
- Claude in Excelでできること
- 従来のExcel作業との違い
- 始め方(インストール手順)
- CopilotやChatGPTとの違い
- 中小企業で使える活用シーン5選
- 料金と対応プラン
- 注意点と現在の制限
- まとめ
Claude in Excelでできること
Claude in Excelは、Excelのサイドバーに表示されるチャットを通じて、以下のような操作ができます。
ワークブックの内容を質問する
「この表の合計はいくつ?」「B列の数値の平均は?」のように質問すると、Claudeがセルを読み取って回答してくれます。回答にはセル番号の引用が付くので、「どのセルを見て答えたのか」が確認できます。
複数のシート(タブ)をまたいだ内容も理解できます。「Sheet1の売上とSheet2の経費を比較して」といった指示も可能です。
数式を作成・修正する
「前年同月比の計算式を入れて」と頼めば、適切なセルにVLOOKUPやIF関数などを自動で入力してくれます。すでにある数式の意味を説明してもらうこともできます。
「#REF!エラーが出ている原因を教えて」と聞けば、エラーの原因を特定し、修正方法まで提案してくれます。
データの整理・入力
レシートの画像を添付して「この内容をテーブルに追記して」と指示すると、日付・店名・金額などを読み取ってExcelのフォーマットに合わせて入力してくれます。
グラフ・ピボットテーブルの作成
「売上データから棒グラフを作って」「月別のピボットテーブルを作成して」といった指示で、グラフやピボットテーブルを自動生成できます。タイトルやラベルも適切に設定してくれます。
シナリオ分析
「売上成長率を2%増やしたら、利益はどう変わる?」のように、仮定を変えた場合の影響をシミュレーションできます。数式の依存関係を維持したまま値を更新し、変更箇所は説明付きで強調表示されます。
従来のExcel作業との違い
これまでのExcel作業とClaude in Excelを使った場合を比較します。
「前年同月比を計算したい」場合
従来:
- 前年同月比の計算式を調べる
- 正しいセル範囲を確認する
- 数式を手入力する
- コピー&ペーストで全行に適用する
- エラーが出たらデバッグする
Claude in Excel:
- 「各月の前年同月比を計算して」とチャットに入力する
Claudeが適切な数式を作成し、セルに直接入力してくれます。
「データからグラフを作りたい」場合
従来:
- データ範囲を選択する
- 挿入タブからグラフの種類を選ぶ
- 軸ラベル・タイトル・凡例を設定する
- 色やフォーマットを調整する
Claude in Excel:
- 「商品別の売上を棒グラフにして。タイトルも付けて」と入力する
グラフの種類選びから設定まで、Claudeが判断して実行してくれます。
始め方(インストール手順)
必要な環境
- Microsoft 365(Office 365)のサブスクリプション
- Windows または Mac のExcelデスクトップ版
- Claudeの有料プラン(Pro・Max・Team・Enterprise)
- インターネット接続
ステップ1:アドインをインストールする
Microsoft Marketplaceで「Claude by Anthropic for Excel」を検索し、「今すぐ入手」をクリックします。
ステップ2:Excelでアドインを有効化する
Excelを開き、アドインを有効化します。
- Macの場合:ツール → アドイン
- Windowsの場合:ホーム → アドイン
ホームリボンの右端に「Claude」ボタンが表示されれば成功です。
ステップ3:Claudeアカウントでサインインする
「Claude」ボタンをクリックすると、サイドバーが開きます。Claudeのアカウント情報でサインインすれば準備完了です。
次回以降は、ショートカットキーですぐに呼び出せます。
- Mac:Control + Option + C
- Windows:Ctrl + Alt + C
CopilotやChatGPTとの違い
ExcelでAIを使う方法は他にもあります。主な選択肢との違いを整理します。
| Claude in Excel | Microsoft Copilot | ChatGPTでExcel操作 | |
|---|---|---|---|
| 操作場所 | Excel内のサイドバー | Excel内のサイドバー | ChatGPT画面でファイルアップロード |
| Excelを直接編集 | ○ できる | ○ できる | ✕ できない |
| 複数シート対応 | ○ | ○ | △ アップロード時のみ |
| 必要なサブスク | Claude有料プラン + Microsoft 365 | Microsoft 365 Copilot | ChatGPT Plus |
| 月額コスト目安 | 約$20〜(Claude Pro) | 約$30/月(Copilot追加) | 約$20/月 |
| 日本語対応 | ○ | ○ | ○ |
| 得意なこと | 複雑な数式の説明・修正、シナリオ分析 | Office全体との連携、自然言語での操作 | 分析結果のレポート化 |
Claude in Excelの強みは「数式の理解力」です。 複雑なワークブックの数式構造を読み解き、依存関係を維持しながら編集できる点は、他のツールより一歩先を行っています。
一方、CopilotはWord・PowerPoint・Outlookなど他のOfficeアプリとの連携が強みです。Excel単体の作業効率を上げたいならClaude、Office全体のワークフローを効率化したいならCopilotという使い分けが現実的です。
中小企業で使える活用シーン5選
1. 月次の売上集計レポート作成
毎月の売上データをExcelに入力したら、「月別・商品別の集計表とグラフを作って」と指示するだけ。手作業で30分かかっていた集計が、数分で完了します。
2. 見積書・請求書のテンプレート作成
「見積書のテンプレートを作って。品名・数量・単価・小計・合計・消費税を含めて」と伝えれば、数式付きのテンプレートを一から作ってくれます。
3. 経費精算の入力補助
レシートの画像を添付して「この内容を経費精算表に入力して」と指示すれば、日付・内容・金額を自動で読み取って入力してくれます。
4. 既存ファイルの数式エラー修正
引き継いだExcelファイルで「#REF!」「#VALUE!」エラーが大量に出ている——こんなとき、「エラーの原因を調べて修正して」と頼めば、Claudeが原因を特定して直してくれます。
5. データの傾向分析
「過去12ヶ月の売上データから、季節的な傾向を分析して」と頼めば、データを読み取って傾向をまとめ、グラフ化までしてくれます。Excelの分析ツールに詳しくなくても、自然言語で分析を依頼できます。
料金と対応プラン
Claude in Excelは、Claudeの有料プランに加入していれば追加料金なしで使えます。
| プラン | 月額 | Claude in Excel |
|---|---|---|
| Free(無料) | $0 | ✕ 利用不可 |
| Pro | $20/月 | ○ 利用可能 |
| Max 5x | $100/月 | ○ 利用可能 |
| Max 20x | $200/月 | ○ 利用可能 |
| Team | $30/月(1人) | ○ 利用可能 |
| Enterprise | 要問合せ | ○ 利用可能 |
注意点として、Claude in Excelの利用量は通常のClaudeチャットと共通の使用量カウンターで管理されます。Claude in Excelを多用すると、チャットやClaude Codeで使える残量が減ります。
また、別途Microsoft 365のサブスクリプション(Excelのデスクトップ版が使えるプラン)が必要です。
料金プランの詳しい比較は「Claudeの無料プランでどこまでできる?有料との違いを正直に解説」をご覧ください。
注意点と現在の制限
ベータ版であること
Claude in Excelは2026年2月現在、まだベータ版です。動作が不安定な場面もあり、特に大きなワークブックや複雑な処理では思い通りに動かないことがあります。
未対応の機能がある
現時点では以下の機能はサポートされていません。
- 条件付き書式
- データテーブル
- マクロ / VBA
これらの機能を多用している方は、現時点ではClaude in Excelだけで作業を完結させるのは難しいかもしれません。
チャット履歴が保存されない
Excelを閉じるとチャット履歴は消えます。「前回の続きから」という使い方はできないので、重要な指示内容は別途メモしておくと安心です。
出力の確認は必ず行う
Claudeの回答は常に正確とは限りません。特に数値や計算が関わる作業では、Claudeが入力した数式や値を必ず自分の目で確認してください。顧客に提出する資料は、確認を終えてから共有しましょう。
セッションログを活用する
Claude in Excelには「セッションログ」機能があり、オンにするとClaudeが実行した操作を「Claude Log」という別タブに記録してくれます。何を変更したか後から確認できるので、有効にしておくことをおすすめします。
まとめ
Claude in Excelは、Excelの中で直接AIに作業を任せられる画期的な機能です。
ポイントを整理します。
- Excelのサイドバーから日本語で指示するだけで、数式作成・分析・グラフ作成が可能
- 複数シートの理解、数式の依存関係の維持など、Excel特化の能力が高い
- Pro以上の有料プラン + Microsoft 365が必要
- レシート画像の読み取り、エラー修正、シナリオ分析など実務で即使える
- ベータ版のため一部制限あり。出力の確認は必須
「Excelは毎日使うけど、関数が苦手」「集計作業に毎月何時間もかけている」という方にとって、作業時間を大幅に短縮できる可能性があります。
まだClaudeを使ったことがない方は、「Claudeとは?読み方・始め方から料金まで、最初に知っておくべきこと」から始めてみてください。
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