Claudeに長文を読ませるコツ|契約書・仕様書・議事録を正確に分析する方法

コラム

「50ページの契約書をAIにチェックしてもらいたい。でも、そのまま貼り付けて大丈夫なのか?」

中小企業では、契約書のリーガルチェック、仕様書の確認、議事録の整理など、長い文書を読み込んで要点を抽出する作業が日常的に発生します。こうした作業をClaudeに任せれば大幅に時短できますが、「ただ貼り付けて聞くだけ」では精度が安定しません。

この記事では、Claudeに長文を正確に分析してもらうためのコツを紹介します。すぐに実践できる具体的なテクニックに絞って解説します。

Claudeが長文に強い理由

ClaudeはAIチャットの中でも、長い文書の処理に特に強いモデルです。

一度に読み込めるテキスト量(コンテキストウィンドウ)が非常に大きく、有料プランでは数十万文字のテキストを一度に入力できます。一般的な契約書(10〜20ページ)や、数時間分の議事録であれば、分割せずに全文をそのまま渡すことが可能です。

また、Claudeは長文の中から特定の情報を探し出す精度が高く、「この契約書の中で、解約条件に関する記述をすべて抜き出して」といった指示に対して、見落としなく回答してくれます。

Claudeの基本的な使い方は「Claudeとは?読み方・始め方から料金まで、最初に知っておくべきこと」で解説しています。

コツ1:「何をしてほしいか」を最初に明確にする

長文をClaudeに渡すとき、最もよくある失敗は「これを読んでください」だけで終わること。Claudeは文書を読めますが、「読んだ後に何をすればいいか」がわからないと、当たり障りのない要約しか返ってきません。

効果的な指示の書き方は、「目的 → 対象 → 出力形式」の3点を最初に伝えること。

悪い例:

以下の契約書を読んでください。
(契約書全文)

良い例:

以下の業務委託契約書をレビューしてください。

【目的】当社(受託側)にとって不利な条件がないかチェックする
【特に確認してほしいポイント】
・解約条件(解約予告期間、違約金の有無)
・知的財産権の帰属
・損害賠償の上限
・自動更新の有無
【出力形式】指摘事項を「条項番号・内容・リスクの程度(高/中/低)」の形式で一覧にしてください

---以下、契約書本文---
(契約書全文)

この「3点指示」をするだけで、回答の精度と実用性が劇的に変わります。

コツ2:文書は全文を一度に渡す

長文を分割して「まず前半を読んで」「次に後半を読んで」と渡すのは、実は精度が下がる原因になります。Claudeは一度に渡されたテキスト全体を見渡して分析するため、全文を一度に渡したほうが文脈の把握が正確になります。

Claudeの有料プランでは、PDF、Word、テキストファイルをそのままアップロードできます。コピペするよりもファイルをそのまま添付するほうが手軽で、書式情報も保持されます。

ただし、100ページを超えるような非常に長い文書の場合は例外です。その場合は「全体の目次や構成を先に把握させてから、特定のセクションについて深掘りする」という2段階のアプローチが有効です。

コツ3:役割を指定する

Claudeに「あなたは○○の専門家として」と役割を与えると、その分野の視点で分析してくれます。

あなたは中小企業の法務担当者として、以下の契約書をレビューしてください。
当社は従業員10名のWeb制作会社です。
あなたは建設業に詳しい経営コンサルタントとして、以下の事業計画書の問題点を指摘してください。

役割を指定することで、回答の視点が「一般的な分析」から「自社にとって実用的なアドバイス」に変わります。

コツ4:チェックリスト形式で指示する

長文分析で最も精度が出る指示の形式は、チェックリスト形式です。Claudeに「このリストの各項目について、文書の中に該当する記述があるか確認して」と依頼します。

以下の議事録を読んで、以下の5項目をそれぞれ抽出してください。
該当する記述がない場合は「記載なし」と明記してください。

1. 決定事項(何が決まったか)
2. アクションアイテム(誰が何をいつまでにやるか)
3. 未解決の課題(結論が出なかった議題)
4. 次回の会議日程
5. 参加者の名前と所属

---以下、議事録---

チェックリストを渡すことで、Claudeは「すべての項目について回答しなければならない」と理解し、見落としが減ります。

コツ5:「見つからなかったら見つからないと言って」と指示する

AIは質問に対して「何かしら答えよう」とする傾向があります。文書に書いていないことを推測で補完してしまうこともあります。

これを防ぐために、「文書に明記されていないことは推測せず、『記載なし』または『文書内に該当する記述は見つかりませんでした』と回答してください」と明示的に指示してください。

この一文を加えるだけで、回答の信頼性が大幅に向上します。特に契約書のレビューでは、「書いてあること」と「書いていないこと」の区別が極めて重要です。

業務別:すぐ使えるプロンプト

契約書のリーガルチェック

あなたは中小企業の法務担当者です。以下の契約書を当社(受託側)の立場でレビューしてください。

確認ポイント:
1. 解約条件と違約金
2. 知的財産権の帰属
3. 損害賠償の範囲と上限
4. 秘密保持の範囲と期間
5. 自動更新条項の有無
6. 支払条件と遅延利息

各項目について「条項番号・内容の要約・当社にとってのリスク(高/中/低)・修正提案」の形式で回答してください。
文書に該当する記述がない場合は「記載なし(リスク:確認が必要)」としてください。

---以下、契約書---

仕様書・提案書の要点抽出

以下の提案書の内容を、経営者が5分で判断できるように整理してください。

出力形式:
1. 提案の概要(3行以内)
2. 費用の総額と内訳
3. スケジュール
4. 期待される効果
5. リスクと注意点
6. 他社との比較がある場合はその要約

---以下、提案書---

議事録の整理

以下の会議の文字起こしを、議事録形式に整理してください。

出力形式:
・日時:
・参加者:
・議題:
・決定事項:(箇条書き)
・アクションアイテム:(担当者・期限つき)
・未解決事項:
・次回予定:

文字起こしに含まれない情報は推測せず「記録なし」と記載してください。

---以下、文字起こし---

これらのプロンプトは「Claudeプロンプト集|業務別にそのままコピペで使えるテンプレート20選」でも紹介しているテンプレートの応用版です。

プロジェクト機能を使えば、毎回の指示が不要になる

Claudeの有料プラン(Pro)には「プロジェクト」機能があります。プロジェクトに自社の情報(業種、従業員数、よく使う契約の種類など)を登録しておけば、毎回「当社は○○で…」と説明する必要がなくなります。

例えば、「当社はWeb制作会社。従業員10名。業務委託契約の受託側が多い」というカスタム指示を登録しておけば、契約書を貼り付けるだけで「受託側の立場」でレビューしてくれます。

プロジェクト機能の詳しい使い方は「Claudeのプロジェクト機能の使い方|自社の情報をAIに覚えさせる方法」で解説しています。

まとめ

Claudeに長文を読ませるときのコツは5つ。「目的・対象・出力形式」を最初に伝える。全文を一度に渡す。役割を指定する。チェックリスト形式で指示する。「見つからなかったら見つからないと言って」と明示する。

この5つを守るだけで、契約書のリーガルチェック、仕様書の要点抽出、議事録の整理が、AIの力で大幅に効率化されます。

まずは次に受け取る契約書や提案書で、この記事のプロンプトを試してみてください。

Claudeの無料プランと有料プランの違いは「Claudeは無料で使える?無料プランと有料プランの違いを解説」をご覧ください。

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