
補助金を使ってホームページを作る中小企業は少なくありません。小規模事業者持続化補助金やIT導入補助金など、制度をうまく活用すれば、制作費用の一部を補助してもらえます。
制度自体は良いものです。問題は、その後です。
補助金でホームページを作った会社のうち、その後もきちんと運用を続けている会社がどれくらいあるか。正確なデータはありませんが、Web制作の現場にいる立場から言えば、半数以上が「作って終わり」になっているというのが実感です。
よくある「その後」のパターン
補助金でホームページを作った会社に、数年後に起きていることを3つ紹介します。
パターン1:納品されたまま一度も更新していない。 補助金の申請、審査、制作会社とのやりとり、実績報告——ここまでで力を使い果たしてしまう。ようやく完成したホームページは、公開日が最終更新日のまま放置されている。お知らせ欄には「ホームページを開設しました」の1行だけ。この状態が2年、3年と続いている会社は珍しくありません。
パターン2:制作会社との契約が切れて、誰も触れなくなった。 補助金で制作を依頼した会社との保守契約が終了し、その後の更新方法がわからない。WordPressのログイン情報すら行方不明。「自分たちで更新できるようにしますよ」と制作会社に言われたはずなのに、操作マニュアルは棚の奥で眠っている。結果、ホームページは事実上の放棄状態になる。
パターン3:作ったことすら忘れている。 冗談のように聞こえるかもしれませんが、実際にあります。社長が代わった、担当者が退職した、業務が忙しくてホームページの存在を意識しなくなった。サーバー代とドメイン代だけは口座から引き落とされ続けているけれど、誰もサイトを見ていない。
なぜ「作って終わり」になるのか
原因はシンプルです。補助金は「作ること」を支援する仕組みであって、「運用すること」を支援する仕組みではないからです。
補助金の審査では、事業計画書を作成し、ホームページで何を実現するかを記載します。でもその計画には「ホームページ公開後に毎月どうやって更新するか」「誰が運用を担当するか」「年間の運用予算はいくらか」まで具体的に書いている会社は、ほとんどいません。
制作会社の側にも問題があります。補助金案件は「作って納品して完了」という位置づけになりやすい。制作費に補助金が出るので受注しやすいけれど、納品後の保守運用は別契約。保守を提案しても「もうお金はかけたくない」と断られることが多い。
結果、立派なホームページが、誰にも見られないまま放置されるという事態が起きます。
補助金ホームページが「もったいない」理由
放置されたホームページは、ゼロではなくマイナスに働きます。
まず、更新されていないホームページは信頼を損ないます。 お知らせが3年前で止まっている会社のサイトを見て、「この会社は大丈夫だろうか」と不安になるのは自然な反応です。ホームページがないよりも、放置されたホームページがある方が印象は悪くなります。
次に、検索エンジンからの評価が下がります。 Googleは更新頻度が低いサイトを「活発でないサイト」と判断します。作った直後は検索結果に表示されていたのに、更新しないまま放置すると順位がどんどん下がっていきます。
そして、せっかくの投資が無駄になります。 補助金が出たとしても、自己負担分は発生しています。30万円のホームページで補助金が15万円出ても、15万円は自分で払っている。その15万円分の効果を回収できているかどうか。放置していたら、回収はゼロです。
今からでも遅くない。放置ホームページの復活方法
「うちもそうだ」と思った方。安心してください。今からでも復活できます。
まずログインできるか確認する。 WordPressなら「自社ドメイン/wp-admin」でログイン画面が出ます。IDとパスワードがわからなければ、制作会社に問い合わせてください。制作会社が廃業している場合は、サーバー会社に連絡すれば対処方法を教えてもらえます。
最低限、3つだけ更新する。 会社の基本情報(住所・電話番号・営業時間)が正確か確認する。代表者やスタッフの情報が変わっていたら修正する。お知らせに「2026年も営業中です」と1行でいいので追加する。これだけで「放置されている」という印象はなくなります。
月に1回、何でもいいから更新する。 施工事例を1件追加する。お客様の声を1件載せる。ブログを1本書く。内容は何でも構いません。月1回の更新を半年続けるだけで、検索エンジンからの評価は確実に改善します。
補助金を使うなら「作った後」のことを先に決める
これからホームページを補助金で作ろうとしている方へのアドバイスです。
制作会社を選ぶ前に、「公開後に誰がどうやって更新するか」を先に決めてください。
自分で更新するのか、社員に任せるのか、制作会社に月額で保守を依頼するのか。年間の運用予算はいくらか。更新頻度はどれくらいを目指すのか。
この問いに答えられない状態で制作を始めると、完成した瞬間がゴールになってしまいます。ホームページは作ることがゴールではなく、作ってからがスタートです。
補助金は「きっかけ」としては最高の制度です。でも、きっかけだけでは成果は出ません。作った後に手をかけ続けた会社だけが、ホームページから問い合わせを獲得し、採用につなげ、売上に変えています。
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