
この記事には、同じテーマで書かれた2つの文章が出てきます。
片方はAI(生成AI)が書いたもの。もう片方は人間が書いたもの。どちらがどちらか、読みながら考えてみてください。答えは記事の後半にあります。
ちなみに私たち株式会社マスタングは、日常的にAIを使って仕事をしているWeb制作会社です。AIの文章も人間の文章も、毎日大量に読んでいます。それでも、最近は見分けるのが本当に難しくなってきました。
では、さっそくいきましょう。
お題:「中小企業がホームページを持つべき理由」
以下のAとB、それぞれ同じテーマで書いた文章です。どちらがAIで、どちらが人間か。読み比べてみてください。
【文章A】
中小企業にとってホームページは、信頼性を高め、新規顧客を獲得するための重要なツールです。インターネットで情報を検索する消費者が増加している現代において、ホームページを持たないことは大きな機会損失につながります。
24時間365日いつでも情報を提供できる点も見逃せないメリットです。営業時間外でもお客様が自由に情報を得られるため、問い合わせにつながる可能性が広がります。
さらに、SEO対策を施すことで検索エンジンからの集客も期待でき、広告費を抑えながら安定的な流入を確保できます。競合他社との差別化を図り、ビジネスの成長を加速させるためにも、ホームページの開設を検討することをおすすめします。
【文章B】
先日、知り合いの工務店の社長に「なんでホームページ作らないんですか」と聞いたら、「紹介でしか仕事取ってないから要らない」と言われました。
でもその社長、紹介元の会社が廃業したとき、新規の問い合わせがゼロになって3ヶ月困ったそうです。「あのとき名刺代わりでもいいからホームページがあれば、少なくとも会社名で検索されたとき何か出てきたのに」と、今は思っているそうです。
紹介って安心感があるけど、紹介元がいなくなったら終わりなんですよね。ホームページは、紹介がなくても自分の会社を見つけてもらえる仕組みを作ることだと思います。別に立派なサイトじゃなくていい。「この会社、ちゃんと存在してるんだな」とわかるだけで十分です。
さて、どちらがAIでしょうか?
この2つの文章を読んで、あなたはどう感じましたか。
「Aがなんとなく硬い」「Bのほうが読みやすい」「Aは教科書っぽい」。そんな印象を持った方が多いかもしれません。逆に、「Aのほうがしっかりしている」「Bはブログっぽくて軽い」と感じた方もいるでしょう。
答え合わせは後ほど。先に、**AIの文章に共通する「クセ」**と、**人間の文章に共通する「クセ」**を整理します。これを知っておくと、日常の中でも「あ、これAIっぽいな」と気づけるようになります。
AIが書く文章の「クセ」5つ
毎日AIの文章を大量に読んでいると、パターンが見えてきます。
1. 結論が最初に来て、理由が後に並ぶ。
AIは「結論→根拠→まとめ」という構成をほぼ必ず採用します。ビジネスライティングの定石ではありますが、どんなテーマで書いても同じ骨格になるのがAIの特徴です。お菓子のレビューでも、経営戦略の解説でも、同じ型にはまる。
2. 主語が大きい。
「中小企業にとって」「現代において」「消費者が」。AIは個別具体の話を一般論に広げる傾向があります。「知り合いの社長」ではなく「多くの経営者」。「あの取引先」ではなく「ビジネスパートナー」。誰にでも当てはまるように書こうとするあまり、誰にも刺さらなくなる。
3. 体験が出てこない。
AIは「おすすめします」「重要です」と言い切りますが、なぜそう言えるのかの裏付けに自分の体験が出てきません。「私はこれを見た」「お客さんからこう言われた」という一次情報がない。情報の出どころが「どこかで読んだ何か」であり、「自分が目撃したこと」ではない。
4. 失敗や迷いがない。
AIの文章は不思議なくらいポジティブです。「〜が重要です」「〜をおすすめします」。迷った形跡がない。人間が何かについて本気で考えたとき、「でも、こういうケースもあるよな」「自分もこれで失敗したことがあるな」という揺れが生まれるのが自然です。AIにはその揺れがない。
5. 便利な接続詞を多用する。
「さらに」「また」「一方で」「加えて」。AIはこれらの接続詞を使って段落をつないでいきます。文章としては読みやすいのですが、実際には前後の文がそこまで深く関連していないことが多い。 接続詞で滑らかにつないでいるだけで、思考が深まっているわけではない場合があります。
人間が書く文章の「クセ」5つ
一方、人間が書く文章にも特徴があります。
1. 話が具体的。
「知り合いの工務店の社長」「紹介元の会社が廃業した」「3ヶ月困った」。固有の人物、固有の出来事、固有の数字が出てくる。誰でも書ける話ではなく、書いた本人がその場にいなければ知り得ない情報が含まれている。
2. 構成が教科書通りではない。
エピソードから入ったり、結論が最後に来たり、途中で脱線したりする。読みにくい場合もありますが、「この人が本当にそう思って書いている」という手触りが伝わる。 整いすぎた文章より、少し歪な文章のほうが信用できると感じた経験は、誰にでもあるはずです。
3. 断言しないところがある。
「〜だそうです」「〜と思っています」「〜なんですよね」。伝聞や推測、個人的な感想が混ざる。AIは自信たっぷりに言い切りますが、人間は知らないことを知らないと書く。この「確信のなさ」が、逆に信頼感を生むことがあります。
4. 感情が漏れる。
「紹介って安心感があるけど」「名刺代わりでもいいから」。こういった表現には、書いた人の感情や価値観がにじんでいます。 AIは感情を「表現」することはできますが、感情を「持って」いるわけではない。その違いは、注意して読むと見えてきます。
5. 読者を限定している。
人間の文章は、意識的であれ無意識であれ、特定の誰かに向けて書かれていることが多い。 「あの社長みたいな人に読んでほしい」という想定読者がいる。一方AIは、なるべく多くの人に当てはまるように書くため、結果的に誰にも深く刺さらない文章になりやすい。
答え合わせ
文章AがAI、文章Bが人間です。
気づいた方も多いと思います。文章Aには上で挙げたAIのクセがほぼすべて当てはまります。結論が先、主語が大きい、体験がない、「さらに」で段落をつなぐ、迷いがない。
一方、文章Bには「知り合いの工務店の社長」という固有の人物が出てきて、具体的なエピソードがあり、「〜だそうです」「〜と思います」という断定を避けた表現が混ざっています。
ただ、ここで正直に言わなければいけないことがあります。文章Aを単体で読んだ場合、AIが書いたとは気づかない人のほうが多いはずです。 比較して初めてわかる程度の差しかない。それくらい、AIの文章力は上がっています。
「見分けられない時代」に、何が価値になるのか
AIの文章力は、すでに「平均的な人間のビジネス文章」を超えています。文法は正しいし、構成も論理的。誤字脱字もない。情報を整理してわかりやすくまとめる力だけなら、多くの人がAIに負けるでしょう。
でも、AIには絶対に書けないものがあります。
「先日、知り合いの社長に聞いた話」。これはAIには書けません。なぜなら、AIには知り合いの社長がいないからです。
「お客さんに言われて、ハッとした一言」。これも書けません。AIにはお客さんがいないからです。
体験、失敗、現場で見たこと、お客さんとのやりとり。 これらは、その人にしか持っていない情報であり、その人にしか書けない文章の材料です。
AIの時代に価値が上がるのは、「誰が書いても同じになる文章」ではなく、**「その人にしか書けない文章」**です。
AIを使うなら、「自分の一行」を足す
私たちは仕事でAIを毎日使っています。記事の構成案、下書き、データの整理。AIが得意な部分はどんどん任せています。
でも、最後に記事を仕上げるとき、必ずやっていることがあります。
自分の体験や、お客さんとの会話から得た話を入れること。
AIが書いた文章の土台に、自分だけが知っていることを一つ加える。「この前こういうことがあって」「あのお客さんがこう言っていて」。たった一行でも、文章全体の説得力がまったく変わります。
あなたの会社のブログやホームページにも、同じことが言えます。AIに下書きを任せるのは賢い選択です。でも、そこに自分の言葉を一つ足すかどうかで、読んだ人が「この会社に相談してみよう」と思うかどうかが変わります。
AIはすでに、文章を書く「作業」では人間を超えています。だからこそ、人間にしかできない「体験を語ること」の価値が上がっている。 これは、AI時代にブログやホームページを運営するすべての会社に関わる話です。
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