
「AIでSEO記事を書く」という話は、もう珍しくありません。ChatGPTやClaude(チャット版)で記事の下書きを作っている人は多いでしょう。
しかし、Claude Codeを使ったSEO業務の効率化となると、話は別です。記事を「書く」だけでなく、キーワード調査、サイト構造の分析、メタデータの一括修正、内部リンクの最適化、パフォーマンス改善——こうしたSEOの業務フロー全体をAIに任せられるのがClaude Codeの強みです。
この記事では、Web制作とSEOの実務でClaude Codeを日常的に使っている私たちの経験をもとに、具体的な活用方法とワークフローを紹介します。
Claude Codeが「記事作成AI」と根本的に違う理由
まず前提として、Claude CodeとClaude(チャット版)のSEO活用には決定的な違いがあります。
Claude(チャット版)でできるSEO作業
- 記事の下書き生成
- タイトルやメタディスクリプションの案出し
- キーワードの提案
これは「AIに相談する」使い方です。出力されたテキストをコピーして、自分でWordPressに貼り付けて、自分でmeta情報を設定する——作業の主体は人間のままです。
Claude CodeでできるSEO作業
- プロジェクトフォルダ内のHTMLファイルを一括で読み込み、全ページのtitleタグとmeta descriptionを分析・修正
- サイトマップやディレクトリ構造を解析して、内部リンクの最適化を提案&実装
- Google Search Consoleからエクスポートしたデータを読み込んで、改善すべきページを優先度付きで提示
- 構造化データ(JSON-LD)の自動生成と全ページへの挿入
- ページ表示速度に影響するコードの特定と最適化
つまり、Claude CodeはSEOの「分析→判断→実行」をまとめて処理できるのです。チャット版が「アドバイザー」だとすれば、Claude Codeは「実行力のあるSEO担当者」に近い存在です。
実践ワークフロー1:コンテンツ制作の効率化
SEOコンテンツの制作において、Claude Codeが最も威力を発揮する場面を順に紹介します。
キーワード調査データの分析
Google Search ConsoleやAhrefs、ラッコキーワードなどからエクスポートしたCSVデータをClaude Codeに読み込ませるだけで、以下のような分析ができます。
- クリック率が低いのに表示回数が多いキーワード(=タイトル改善で伸びる可能性があるページ)の抽出
- 検索順位が11〜20位のキーワード(=もう少しで1ページ目に入れるキーワード)の特定
- クエリのグルーピングと、カニバリゼーション(記事同士の競合)の発見
チャット版でもCSVを貼り付ければ似たことはできますが、Claude Codeはファイルを直接読み込むため、データ量が多くても処理が安定します。数千行のクエリデータでも問題ありません。
記事構成の設計
キーワードが決まったら、記事の構成をClaude Codeに設計させます。ここでのポイントは、競合記事の情報もあわせて渡すことです。
たとえば、上位表示されている競合記事のURLリストや、その記事の見出し構成をテキストファイルにまとめておき、Claude Codeに「これらの記事を上回る構成を作って」と指示します。
Claude Codeは渡された情報を踏まえて、競合がカバーしていない切り口や、より深い解説が必要なポイントを含む構成案を出力します。
記事執筆とファイル管理
構成が固まったら、Claude Codeに記事本文を書かせます。チャット版との大きな違いは、ファイルとして直接保存される点です。
「この構成に沿って記事を書いて、/content/blog/2026-02/の中にMarkdownファイルとして保存して」と指示すれば、指定したフォルダに記事ファイルが生成されます。複数記事を連続で作成する際も、ファイル管理を気にする必要がありません。
さらに、CLAUDE.md(Claude Codeのプロジェクト設定ファイル)に自社のライティングルールを書いておけば、トーン、文体、禁止表現、CTA文言などを毎回指示しなくても、一貫した品質で記事が生成されます。
実践ワークフロー2:テクニカルSEOの改善
コンテンツ制作以上にClaude Codeが本領を発揮するのが、テクニカルSEOの領域です。
メタデータの一括分析・修正
サイト内の全HTMLファイル(またはWordPressのテーマファイル)をClaude Codeに読み込ませて、以下の分析を一括で実行できます。
- titleタグの文字数チェック(30〜60文字に収まっているか)
- meta descriptionの有無と文字数チェック
- h1タグの重複やh2〜h3の階層構造の妥当性
- canonical URLの設定漏れ
問題が見つかったページについては、「修正して」と言えばClaude Codeがファイルを直接編集してくれます。50ページ分のメタデータ修正を手作業でやれば丸一日かかる作業が、Claude Codeなら数分で完了します。
構造化データ(JSON-LD)の生成と実装
FAQ構造化データ、パンくずリスト、記事の構造化データ(Article)など、SEOで重要な構造化データのJSON-LDを、ページ内容に基づいて自動生成できます。
「このブログ記事にArticle構造化データを追加して」と指示するだけで、著者名、公開日、画像、説明文などを記事内容から抽出し、適切なJSON-LDを生成してHTMLに挿入してくれます。
内部リンク構造の分析
サイト内の全ページのリンク構造を解析し、以下のような課題を特定できます。
- 内部リンクが1本もない「孤立ページ」の発見
- リンク切れ(404リンク)の検出
- 重要ページへのリンクが不足している箇所の特定
- トピッククラスターの設計と、関連記事間のリンク提案
特にブログ記事が増えてくると、内部リンクの設計は手作業では追いきれなくなります。Claude Codeにサイト全体の構造を把握させておけば、新しい記事を追加するたびに「この記事からはこのページにリンクすべき」と提案してもらえます。
ページ速度の改善
HTMLやCSS、JavaScriptのファイルを読み込ませて、パフォーマンスに影響する要素を特定できます。
- 使われていないCSSの検出と削除
- 画像のlazy loading属性の追加
- レンダリングをブロックするJavaScriptの最適化
- 不要なプラグインやスクリプトの特定
これらの最適化をClaude Codeが直接ファイルに反映してくれるため、開発者に依頼するまでもない軽微な改善は自分で対応できます。
実践ワークフロー3:分析と改善サイクル
SEOは「やって終わり」ではなく、データに基づいて継続的に改善するサイクルが重要です。Claude Codeはこのサイクルも効率化してくれます。
Search Consoleデータの定期分析
Google Search Consoleからエクスポートしたデータ(クエリ、ページ、デバイス、国など)をClaude Codeに渡すと、以下の分析をまとめて行えます。
- 前月比でクリック数や表示回数が大きく変動したページの特定
- CTR(クリック率)が低いページのタイトル改善案の提示
- 新たに拾い始めたキーワードの発見と、そのキーワードを狙った記事の企画提案
- デバイス別・地域別のパフォーマンス比較
これを毎月のルーティンとして回せば、データに基づいた改善が自然と習慣化します。
競合分析の自動化
競合サイトのURLリストを渡して、「これらのサイトの記事タイトルと見出し構成を分析して、自社サイトがカバーできていないトピックを抽出して」と指示できます。
Claude Codeがウェブ上の情報を直接取得することには制限がありますが、競合記事の情報をテキストファイルにまとめておけば、比較分析は十分に可能です。MCPを使ってGoogle Driveなどと連携すれば、蓄積したリサーチデータへのアクセスもスムーズになります。
CLAUDE.mdで「自社のSEOルール」を標準化する
Claude Codeを使いこなす上で欠かせないのが、CLAUDE.mdの活用です。
CLAUDE.mdはプロジェクトのルートに置く設定ファイルで、Claude Codeが作業する際の「前提条件」として常に参照します。ここにSEOのルールを書いておけば、毎回の指示が大幅に簡略化できます。
たとえば、以下のような内容を記載しておきます。
# SEOコンテンツルール
## 記事の基本方針
- ターゲット:地方の中小企業経営者、Web担当者
- トーン:専門的だが平易に。中学生でもわかる表現を心がける
- 一人称:「私たち」(会社として発信)
- CTA:記事末尾に問い合わせ導線を設置する
## SEO技術ルール
- titleタグ:30〜60文字。主要キーワードを前半に配置
- meta description:80〜120文字。クリックしたくなる表現に
- h1:1ページ1つ。titleと同一または類似
- 画像:alt属性を必ず設定。キーワードを自然に含める
- 内部リンク:関連記事への内部リンクを最低2本設置
## 禁止事項
- 根拠のない数字や統計の捏造
- 競合他社の誹謗中傷
- 「絶対」「必ず」など断定的な表現の乱用
このファイルがあるだけで、Claude Codeは自社のルールに沿ったSEOコンテンツを最初から生成してくれます。新しいメンバーが入社した際の教育ツールとしても機能します。
実際の業務でどれくらい効率化できたか
私たちマスタング株式会社は、2〜3名の少人数でWeb制作・SEO・AI活用支援を行っています。Claude Codeを導入する前と後で、SEO関連業務にかかる時間がどう変わったかをまとめます。
コンテンツ制作(3,000字のSEO記事1本あたり)
- 導入前:リサーチ〜構成〜執筆〜校正で約4〜5時間
- 導入後:Claude Codeでの構成・下書き生成+人間の編集・ファクトチェックで約1.5〜2時間
テクニカルSEO改善(10ページ分のメタデータ修正)
- 導入前:手作業で約2〜3時間
- 導入後:Claude Codeで分析+修正で約15〜20分
月次のSearch Consoleデータ分析
- 導入前:データのダウンロード〜スプレッドシートでの分析〜レポート作成で約3時間
- 導入後:CSVをClaude Codeに渡して分析〜レポート出力で約30分
もちろん、Claude Codeの出力をそのまま使うわけではありません。ファクトチェック、自社の知見の追加、最終的な品質確認は必ず人間が行います。それでも、「手を動かす作業」にかかる時間は半分以下になりました。
浮いた時間で何をしているかというと、クライアントとの対話です。キーワードの奥にある「本当に困っていること」を聞き出し、それに応える企画を考える。AIには代替できないこの部分に時間を使えるようになったのが、最も大きな変化です。
Claude Code × SEOで注意すべきこと
効率化できる反面、注意すべき点もあります。
AIが書いた文章をそのまま公開しない
Googleは「AIで生成したコンテンツ」を一律で低評価するわけではありませんが、人間の専門性や独自の経験が加わっていないコンテンツは評価されにくい傾向にあります。E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)の観点から、自社の実体験や独自の見解を必ず盛り込むことが重要です。
Claude Codeの出力は「優秀な下書き」であって「完成原稿」ではない、という認識を持ちましょう。
情報の正確性は人間が担保する
Claude Codeは最新の検索アルゴリズムの変更点や、ツールの仕様変更を正確に把握しているとは限りません。特にGoogleのコアアップデートに関する情報や、各種SEOツールの使い方に関する記述は、公式ドキュメントで必ずファクトチェックしてください。
コスト感覚を持つ
大量のファイルを読み込ませたり、長い会話を続けたりすると、トークン消費が増えます。SEO業務全体をClaude Codeに任せたい場合は、Proプラン(月額20ドル)では足りなくなる可能性があります。利用頻度に応じてMax 5x(月額100ドル)への移行も検討しましょう。
まとめ:Claude CodeはSEO業務の「実行パートナー」になる
この記事では、Claude CodeをSEO業務にどう活用できるかを、実際のワークフローベースで解説しました。
ポイントを整理します。
- Claude Code(チャット版と違い)は、ファイル操作・コード修正・データ分析を直接実行できる
- コンテンツ制作では、キーワード分析→構成設計→記事執筆→ファイル管理までを一貫して処理できる
- テクニカルSEOでは、メタデータ修正・構造化データ生成・内部リンク最適化・速度改善を自動化できる
- CLAUDE.mdにSEOルールを定義しておけば、品質を標準化できる
- ただし、E-E-A-Tの観点から人間の専門性・独自経験の追加は必須
SEOの本質は「ユーザーの課題を解決するコンテンツを、検索エンジンが正しく評価できる形で提供する」ことです。Claude Codeはこの「正しく評価できる形で提供する」部分を大幅に効率化してくれますが、「ユーザーの課題を理解する」部分は今のところ人間にしかできません。
AIに任せるべきところと、人間がやるべきところ。この線引きができているかどうかが、AI時代のSEO成果を分けると考えています。
Claude Codeを活用したSEO対策や、AIを業務に取り入れる方法についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。


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