2人の会社が100記事書いて気づいたこと——数字と、数字に表れなかったもの

コラム

これが100本目の記事です。

2026年1月にブログを始めて約2ヶ月。社員2名の会社が、AIを使いながら100本のブログ記事を書き切りました。

この記事では、100本書いた結果の「数字」を公開します。そして、数字には表れなかった、もっと大きな変化についても書きます。

数字の話をする

まず、結果を正直に公開します。

ブログ開始から約2ヶ月で、月間約1,600人のユーザーがサイトを訪れるようになりました。Google検索からの表示回数は月間60,000回を超え、クリック数は月2,000ペースに到達。ゼロから始めたサイトとしては、悪くない数字だと思います。

流入のほとんどはClaude関連の記事です。「Claude 使い方」「Claude Code とは」「Claude Cowork」——こうしたキーワードで検索した人がブログにたどり着いています。Web制作やSEOのノウハウ記事は、正直に言えばほとんど検索流入がありません。

これは想定通りでもあり、想定外でもありました。Claude関連の記事が伸びることは予想していましたが、ここまで偏るとは思っていなかった。100本書いて、実際に検索で読まれているのは上位20本程度。残りの80本は、今のところ検索流入にはほぼ貢献していません。

もう一つ、数字で見えた変化があります。ChatGPTやClaudeといったAI検索からの流入が、少しずつですが始まっていること。月に数十セッションとまだ小さいですが、「AI検索でmustang.vcのブログが引用された」という事実は、100本の記事がAIの情報源として認識され始めた証拠です。

「じゃあ80本は無駄だったのか?」

この問いに対する答えが、この記事の本題です。

80本は無駄ではなかった

数字だけ見れば、流入のない80本は「成果ゼロ」に見えます。しかし、書く過程で起きた変化は、アクセス解析には表れません。

一番大きかったのは、「自社のサービスを言語化できるようになった」こと。

100本の記事を書くには、100本分の「伝えたいこと」が必要です。SEOとは何か、ホームページはなぜ必要か、AIはどう業務に活かせるか。これらを他人にわかるように書くためには、まず自分たちが深く理解していなければなりません。

書くことは、考えることです。「なぜうちの会社はSEOを提供しているのか」「AIを使ってクライアントに何を届けたいのか」——記事を書くたびに、自社の事業の輪郭がはっきりしていきました。

これはブログの「副産物」ではなく、むしろ本質的な成果だったと思っています。

AIを使い倒した結果、見えた「本当の仕事」

100本の記事のほぼすべてを、AIと一緒に書きました。構成案の作成、下書きの生成、事実確認の補助、文章の推敲。Claudeがいなければ、2名体制で2ヶ月100本は不可能でした。

AIに任せられる作業を全部渡していくと、ある時点で「これはAIには任せられない」という仕事が浮かび上がってきます。

記事のテーマを決めること。「今、このタイミングで、この読者に、何を伝えるべきか」という判断は、AIにはできません。Anthropicがペンタゴンとの契約を断ったニュースが出たとき、「これは今すぐ記事にすべきだ」と判断したのは人間です。

クライアントの課題を理解すること。「この会社は何に困っていて、どんな情報があれば助かるか」——この感覚は、実際に話を聞いて、現場を見て、信頼関係を築いた人間にしか持てません。

文章に「体温」を入れること。AIが書いた文章は正確で読みやすい。でも、「2名の会社で毎日記事を書くのは正直しんどかった」「クライアントに間違った提案をして冷や汗をかいた」——こうした実感は、自分の言葉でしか書けません。読者が信頼するのは、整った文章ではなく、書いた人間の体験が滲む文章です。

そしてもう一つ、「やめる判断」。100本のうち、途中でボツにしたテーマもあります。「これは読者の役に立たない」「既存の記事と内容が被っている」「切り口が弱い」——こうした判断はAIには難しい。AIは指示されたものは全力で書いてくれますが、「そもそも書くべきかどうか」は判断してくれません。

つまり、AIを使い倒した結果見えたのは、「自分たちの本当の仕事はコンテンツを”作る”ことではなく、コンテンツで”何を伝えるか”を決めることだった」ということです。

100本書いて、事業はどう変わったか

目に見える変化としては、問い合わせの「質」が変わりました。

以前は「ホームページを作りたい」という漠然とした相談が多かった。今は「ブログの記事を読んで連絡しました。うちもSEOをやりたいんですが」「AIの活用について相談したい」と、具体的な課題を持った問い合わせが来るようになった。

記事を読んでから連絡してくれる人は、当社が何をやっている会社かをすでに理解しています。だから、最初の打ち合わせがスムーズになる。「うちの会社はこういうことをやっていまして」という自己紹介が不要になった。ブログが営業の代わりをしてくれている状態です。

もう一つ、社内の変化がありました。記事を書くために業界のトレンドを毎日調べるようになり、結果としてサービスの幅が広がった。GEO対策、AI活用支援、Extended Thinkingを使った分析——これらは記事を書く過程で深掘りしたテーマがそのままサービスになったものです。

100本書いてわかった「ブログの正体」

ブログは「集客ツール」だと思って始めました。それは間違いではないけれど、100本書いてみて感じるのは、ブログの本当の価値はもっと広いということ。

ブログは「自社の思考を外に出す装置」です。

何を考えているか、何を大切にしているか、どんな仕事をしているか。それを定期的にWebに公開し続けることで、検索エンジンにもAIにも人間にも、「この会社はこういう会社だ」と認識される。100本の記事は、株式会社マスタングの名刺100枚分ではなく、株式会社マスタングという会社そのものの「輪郭」です。

これからの話

100本はゴールではなく、スタートラインです。

100本書いたことで、サイトのドメインとしての信頼性が少しずつ積み上がりました。ここからは量より質、新規記事より既存記事の改善に軸足を移していきます。タイトルの最適化、内部リンクの整備、検索意図とのズレの修正。100本の資産を磨いていく段階です。

同時に、新しいテーマの記事も書き続けます。AIの進化は速く、半年前に書いた記事がすでに古くなっていることもあります。情報を最新に保ち続けること自体が、信頼性の証明になる。

100本書いて一番学んだことは、「続けること自体に価値がある」というシンプルな事実でした。1本目を書いたときは、100本目の景色は想像できなかった。でも、1本ずつ積み上げた結果、月1,600人が訪れるサイトになった。2名の会社の声が、毎日数十人に届くようになった。

次の目標は、この100本を基盤にして、月間クリック数を2,000から5,000に伸ばすこと。そして、検索流入から実際の問い合わせにつながる導線を完成させること。ブログは作ってからが本番。まさに、自分たちが書いた記事の通りです。

読んでくださっている方へ。もしあなたが「うちもブログを始めようか」と迷っているなら、始めてください。最初の10本はほとんど誰にも読まれません。でも50本を超えたあたりから、検索エンジンが認識し始めます。100本書けば、世界が変わります。少なくとも、うちは変わりました。

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