
「毎回、同じ前提情報をClaudeに説明し直すのが面倒」——その悩み、プロジェクト機能で解決できます。
Claudeにメールの下書きを頼むたびに「うちの会社は埼玉県にあるWeb制作会社で、主要顧客は運送業と建設業で…」と毎回伝え直していませんか。商品名や料金表をいちいちコピペしていませんか。
Claudeの「プロジェクト」機能を使えば、自社の情報をあらかじめ登録しておくことで、Claudeが最初からそれを理解した状態で会話を始められます。毎回の前提説明が不要になり、回答の精度も上がります。
この記事では、プロジェクト機能の基本から、中小企業での具体的な活用方法まで解説します。
プロジェクト機能とは何か
プロジェクト機能を一言で表すと、「Claudeに自社専用の知識を持たせる仕組み」です。
通常のチャットでは、Claudeは毎回まっさらな状態からスタートします。前回の会話の内容は覚えていませんし、あなたの会社のことも知りません。そのため、毎回「うちの会社は○○で、サービス内容は△△で」と説明する必要があります。
プロジェクト機能を使うと、この問題が解消されます。プロジェクトには2つの要素を登録できます。
ナレッジ(知識)。 自社の会社概要、商品・サービスの説明、料金表、FAQ、業務マニュアルなど、Claudeに覚えておいてほしい情報をファイルやテキストとしてアップロードします。PDF、テキストファイル、コードなどに対応しています。
カスタム指示。 Claudeへの基本的な指示を固定できます。「ですます調で回答して」「専門用語は使わず、中学生にもわかる表現で」「回答は300文字以内にまとめて」といったルールを、毎回書く代わりにプロジェクトに設定しておけます。
この2つを組み合わせることで、「自社の情報を理解していて、決まったルールで回答してくれるClaude」を作ることができます。
プロジェクトの作り方——3ステップ
ステップ1:プロジェクトを作成する
claude.aiにログインし、画面左側のメニューから「プロジェクト」をクリックします。右上の「+ 新規プロジェクト」ボタンを押して、プロジェクト名を入力します。
名前は具体的につけるのがコツです。「営業用」ではなく「見積もり・提案書作成」、「ブログ」ではなく「SEOブログ記事作成」のように、用途がわかる名前にしましょう。
ステップ2:ナレッジを登録する
プロジェクトの画面右側に「ナレッジ」のセクションがあります。ここに自社の情報をアップロードします。
最初は「会社概要」と「サービス説明」の2つだけで十分です。完璧なナレッジを最初から用意する必要はありません。使いながら「この情報も必要だな」と気づいたら追加していくのが現実的です。
ステップ3:カスタム指示を設定する
「プロジェクト指示を設定」をクリックして、Claudeへの基本ルールを書きます。
例えば以下のような指示です。
あなたは株式会社○○の社員として回答してください。
・丁寧語(ですます調)で回答すること
・専門用語はなるべく避け、わかりやすい表現を使うこと
・回答の最後に「他にご不明な点がございましたらお気軽にお問い合わせください」と添えること
これで準備完了です。あとはこのプロジェクト内でチャットを始めれば、Claudeがナレッジとカスタム指示を踏まえた回答を返してくれます。
中小企業で特に役立つ4つの活用パターン
パターン1:メール返信の下書き
自社のサービス内容、料金表、対応エリア、よくある質問への回答をナレッジに登録しておきます。カスタム指示には、メールのトーンや署名のルールを設定します。
お客様からの問い合わせメールをコピペして「このメールに返信する下書きを作って」と依頼するだけで、自社の情報を踏まえた適切な返信が出てきます。毎回サービス内容を説明し直す必要がなくなります。
パターン2:ブログ記事・SNS投稿の作成
自社のブランドガイドライン(トーン、ターゲット読者、避けるべき表現など)をカスタム指示に登録します。ナレッジには、過去の記事やキーワードリストを追加します。
「○○というキーワードでブログ記事を書いて」と指示するだけで、自社のトーンに合った記事が生成されます。記事を書くたびに「うちの会社はこういうスタイルで…」と説明する手間がなくなります。
パターン3:見積もり・提案書のドラフト
料金体系、過去の提案書のテンプレート、よく使うフレーズ集をナレッジに登録します。
「○○業の△△様向けに、ホームページリニューアルの提案書のドラフトを作って」と依頼すれば、自社の料金体系に基づいた提案書のたたき台ができあがります。
パターン4:社内FAQ・マニュアルの問い合わせ対応
社内マニュアルや業務手順書をナレッジに登録しておきます。
新しいスタッフが「経費精算の方法がわからない」「有給の申請はどうすればいい?」と聞いたとき、プロジェクト内のチャットで質問すれば、マニュアルに基づいた回答がすぐに返ってきます。先輩社員の手を止めずに済みます。
効果を最大化するコツ
ナレッジは「よく聞かれること」から登録する
最初からすべての社内情報を登録しようとすると、準備だけで何日もかかります。まずは「Claudeに質問するとき、毎回説明し直していること」をリストアップして、そこから優先的に登録してください。
具体的には、会社概要(事業内容、所在地、従業員数)、主要サービスの説明と料金、対応エリア、よくある質問への回答例。この4つがあれば、多くの業務で効果を実感できます。
カスタム指示は短く、明確に
カスタム指示に長文を書きすぎると、Claudeが混乱することがあります。箇条書きで5〜10項目程度にまとめるのがベストです。
「こういうときは○○して」ではなく、「○○すること」と断定的に書くほうが、Claudeは正確に従います。
プロジェクトは用途別に分ける
1つのプロジェクトにすべてを詰め込むより、「メール返信用」「ブログ作成用」「提案書作成用」のように用途別に分けたほうが、それぞれの精度が上がります。
プロジェクトは無料プランでも5つまで、Proプランならさらに多く作成できます。
無料プランとProプランの違い
プロジェクト機能は無料プランでも利用可能です。ただし、無料プランでは作成できるプロジェクト数が最大5つに制限されます。
Proプラン(月額約3,000円)では、プロジェクト数の上限が大幅に緩和されるほか、ナレッジの容量が拡張されます。また、有料プランではRAG(検索拡張生成)モードが自動的に有効になり、ナレッジの量が多い場合でも必要な情報を正確に参照できるようになります。
業務で本格的に使うなら、Proプラン以上がおすすめです。プランの違いについて詳しくは「Claudeの無料プランでどこまでできる?有料との違いを正直に解説」をご覧ください。
ChatGPTのGPTsとの違い
ChatGPTにも似た機能として「GPTs(カスタムGPT)」があります。両者の違いを簡単にまとめます。
Claudeのプロジェクト機能は、ファイルを直接アップロードして知識を与える方式です。PDFやテキストファイルをそのまま登録できるので、既存の社内資料をそのまま活用しやすいのが利点です。カスタム指示もシンプルに設定できるので、設定のハードルが低いです。
ChatGPTのGPTsは、より細かいカスタマイズが可能で、作成したものを他のユーザーに公開・共有できる点が特徴です。ただし、設定がやや複雑で、慣れが必要です。
「社内業務で自分たちだけが使う」用途であれば、設定が簡単なClaudeのプロジェクト機能のほうが始めやすいです。
まとめ
Claudeのプロジェクト機能は、自社の情報をAIに覚えさせて、毎回の前提説明を省略できる仕組みです。ナレッジ(自社情報)とカスタム指示(回答ルール)を登録するだけで、自社専用のAIアシスタントが作れます。
まずは「会社概要」と「サービス説明」を登録して、メールの下書きを1通作らせてみてください。「毎回説明しなくても、ちゃんとわかってくれる」という体験が得られるはずです。
Claudeの基本的な始め方は「Claudeとは?読み方・始め方から料金まで、最初に知っておくべきこと」を、より高度な活用方法は「Claudeで記事作成するコツ|質の高い文章を書くためのプロンプト術」をご覧ください。


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