
結論から言うと、ほとんどの業務にはSonnet 4.5で十分です。 Opus 4.6が必要になるのは、大量の文書を一度に分析する場合や、複雑なコーディングをAIに任せたい場合に限られます。
Claudeには「Opus」「Sonnet」「Haiku」という3つのモデルがありますが、実際に使い分けに迷うのはOpusとSonnetの2つでしょう。この記事では、両者の違いを中小企業の実務に即して解説し、「自分の業務にはどちらが合うか」を判断できるようにします。
Opus 4.6とSonnet 4.5の基本スペック
まず基本的な違いを押さえておきましょう。
Opus 4.6は2026年2月5日にリリースされたClaudeの最上位モデルです。「最も知能が高いモデル」とAnthropicが公式に位置づけています。コンテキストウィンドウは最大100万トークン(ベータ)で、日本語にすると約75万文字。書籍数冊分の情報を一度に読み込めます。
Sonnet 4.5は2025年10月にリリースされた中核モデルです。Opusに次ぐ性能を持ちながら、応答速度が速く、コストも低いのが特徴です。コンテキストウィンドウは最大100万トークン(ベータ)で、Opus 4.6と同じです。無料プランでもSonnet 4.5が利用可能です。
Haiku 4.5は最速・最低コストのモデルですが、性能はOpusやSonnetより一段落ちるため、本記事ではOpusとSonnetの比較に絞ります。
性能の違い——何がどれくらい違うのか
Opus 4.6とSonnet 4.5の性能差は、作業内容によって大きく変わります。
文章作成・要約
日常的なビジネス文書(メール、報告書、ブログ記事)の作成や、短い文書の要約では、OpusとSonnetの差はほぼ感じません。どちらも自然で読みやすい日本語を生成します。
差が出るのは「長い文書を読み込んで、全体の整合性を保ちながら分析する」場面です。例えば、100ページの契約書から特定の条件だけを抽出する、複数の報告書を横断的に比較分析する、といったタスクではOpus 4.6のほうが正確です。
コーディング
コーディング能力は、Sonnet 4.5が非常に高い水準にあります。ソフトウェアの実装能力を測るSWE-bench VerifiedというベンチマークでSonnet 4.5は業界トップクラスのスコアを記録しており、日常的なコーディング作業であればSonnetで十分対応できます。
Opus 4.6が真価を発揮するのは、より複雑で長期的なタスクです。大規模なコードベース全体を理解した上でのリファクタリング、複数のシステムにまたがるバグの修正、数十時間にわたる自律的な開発タスクなどではOpusの推論力が活きます。
推論・分析
論理的に複雑な問題を解く力は、Opus 4.6が明確に上回ります。例えば、財務分析、法務文書の解釈、多段階の論理推論が必要なタスクではOpusのほうが正確で深い分析を返します。
Anthropicの内部テストでは、金融分析タスクにおいてOpus 4.6はSonnet 4.5を20ポイント以上上回るスコアを記録しています。ただし、これは高度な専門分析の話であり、日常的な「この数字の傾向を教えて」程度の分析ならSonnetで十分です。
長文コンテキストの処理
両モデルとも最大100万トークン(ベータ)に対応していますが、実際にその大きなコンテキストを「正確に使いこなせるか」に差があります。
Anthropicが公開したベンチマーク(MRCR v2の100万トークン版)では、Opus 4.6のスコアは76%に対し、Sonnet 4.5は18.5%でした。つまり、100万トークン規模の巨大な文書を処理する場合、Opus 4.6のほうが圧倒的に正確に情報を拾い上げることができます。
ただし、日常業務で100万トークンを扱う場面はほぼありません。20万トークン以内の一般的な文書処理では、両者の差はそこまで大きくありません。
料金の違い
Claudeをブラウザやアプリで使う場合(サブスクリプション)と、APIで使う場合で料金体系が異なります。
サブスクリプションの場合
Pro、Max 5x、Max 20xのいずれのプランでも、OpusとSonnetの両方が追加料金なしで利用可能です。つまり、サブスクリプションで使う分には、OpusとSonnetの料金差はありません。
ただし、Opusはトークン消費量が多いため、同じ利用枠でもOpusのほうが早く枠を使い切る傾向があります。利用枠に余裕がないProプランの場合は、普段はSonnetを使い、ここぞという場面でだけOpusに切り替えるのが賢い使い方です。
APIの場合
API利用の場合、Opus 4.6とSonnet 4.5では単価が異なります。Opus 4.6は入力100万トークンあたり5ドル、出力100万トークンあたり25ドルです。Sonnet 4.5は入力100万トークンあたり3ドル、出力100万トークンあたり15ドルです。
つまりSonnet 4.5はOpus 4.6の約6割のコストで利用できます。大量のAPIリクエストを送る場合は、この差がかなりの金額になります。
速度の違い
応答速度はSonnet 4.5のほうが速いです。Opusは「じっくり考える」タイプのモデルで、複雑な問題に対してより深い推論を行うため、回答が返ってくるまでに時間がかかります。
体感としては、簡単な質問ならSonnetは数秒で回答が返ります。Opusは同じ質問でもやや時間がかかり、複雑な質問では10秒以上かかることもあります。チャットで素早くやり取りしたい場面ではSonnetのほうが快適です。
業務別の使い分けガイド
ここからが実践的な内容です。中小企業の業務シーン別に、どちらのモデルが適しているかを整理します。
Sonnet 4.5が最適な業務
メールやビジネス文書の作成。報告書や議事録の要約。ブログ記事やSNS投稿の下書き。簡単なデータ整理や表の作成。翻訳やテキストの校正。社内チャットでの質問応答。日常的なコーディング支援。
共通するのは、「答えが明確」「深い推論が不要」「速い回答が欲しい」タスクです。中小企業の日常業務の8〜9割はSonnetで十分対応できます。
Opus 4.6が最適な業務
100ページ超の契約書や仕様書の全文分析。複数の文書を横断した矛盾点の発見。大規模なコードベースのリファクタリング。複雑な財務分析や事業計画の検証。Agent Teamsを使った並列開発。
共通するのは、「大量の情報を一度に把握する」「複雑な論理を組み立てる」「長時間の自律作業」が必要なタスクです。
使い分けの3つの判断基準
判断基準1として、読み込ませる文書の量です。20ページ以下ならSonnet、それ以上の大量文書ならOpusが安心です。
判断基準2として、間違いの許容度です。「大体合っていればOK」ならSonnet、「1つのミスも許されない」ならOpusで確認する価値があります。
判断基準3として、作業のスピードです。すぐに回答が欲しいならSonnet、時間がかかっても正確な結果が欲しいならOpusです。
実務での賢い使い方
最後に、実務での効率的な使い方を紹介します。
普段はSonnet、ここぞでOpus。 ほとんどの日常業務はSonnetで処理し、重要な分析や大量文書の処理が必要な場面でだけOpusに切り替えるのが最もコスト効率が良い使い方です。claude.aiの画面左上のモデル名をクリックするだけで切り替えられます。
SonnetでドラフトしてOpusでチェック。 まずSonnetで素早くドラフトを作成し、最終チェックだけOpusに依頼するワークフローも効果的です。例えば、Sonnetで報告書を作成し、Opusに「この報告書に論理的な矛盾や数値の不整合がないか確認して」と依頼する使い方です。
Claude CodeではOpusがデフォルト。 Claude Code(ターミナルベースの開発ツール)を使う場合は、デフォルトでOpus 4.6が選択されます。ただし利用状況によってはSonnetに自動的に切り替わることがあります。開発作業でのモデル選択は、Claude Codeに任せるのが無難です。
まとめ
Opus 4.6は最高性能のモデルで、大量文書の分析や複雑な推論で真価を発揮します。Sonnet 4.5は性能と速度・コストのバランスが優れた中核モデルで、日常業務の大半はこちらで十分対応できます。
中小企業であれば、まずSonnet 4.5をメインで使い始めて、「もう少し正確な分析がほしい」と感じたときにOpus 4.6を試すのがおすすめです。
Claudeの基本的な始め方や料金プランについては「Claudeとは?読み方・始め方から料金まで、最初に知っておくべきこと」を、Claude Codeの活用方法については「Claude Codeとは?できること・始め方をわかりやすく解説」をご覧ください。


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