
「同じ内容の記事なのに、なぜあの会社のほうが検索上位なのか?」
SEO対策をしていると、この疑問にぶつかります。キーワードも入れた、文字数も十分、構成も悪くない。なのに順位が上がらない。
その原因の多くは、E-E-A-Tにあります。
E-E-A-Tとは、Googleがコンテンツの品質を評価するための基準で、Experience(経験)、Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼性)の頭文字です。2022年12月に従来のE-A-Tに「Experience(経験)」が加わり、現在の形になりました。
簡単に言えば、「何を書いたか」だけでなく「誰が書いたか」「その人は本当に詳しいのか」「実際にやったことがあるのか」までGoogleは見ている、ということです。
4つの要素を中学生にわかるように説明する
Experience(経験)——「実際にやったことがあるか」
たとえば、ラーメン屋のレビュー。実際に店に行って食べた人の感想と、メニュー写真だけ見て書いた記事。Googleはこの違いを見分けようとしています。「ここのチャーシューは注文してから切ってくれる」「14時以降は空いている」——こういった情報は、実際に行った人にしか書けません。
ビジネスに置き換えると、「この業界で10年やってきた人間がまとめたノウハウ」と「ネット上の情報を寄せ集めた記事」の差です。Googleは前者を高く評価したいと考えています。
Expertise(専門性)——「その分野に詳しいか」
専門性は「資格」だけの話ではありません。たとえば運送会社が「冷凍品の輸送で注意すべき温度管理」について書けば、それは紛れもない専門家の記事です。医療や法律のような分野では資格が重要ですが、ほとんどのビジネス領域では「毎日その仕事をしていること」自体が専門性の証明になります。
サイト全体で一貫したテーマを扱っていることも専門性の評価に影響します。Web制作の記事が100本あるサイトと、料理・旅行・Web制作がバラバラに混在するサイト。前者のほうがWeb制作の専門サイトとしてGoogleに認識されやすい。
Authoritativeness(権威性)——「業界で認められているか」
権威性は、他者からの評価で決まります。具体的には、他のWebサイトからのリンク(被リンク)、メディアでの紹介、業界団体への加盟、行政との連携実績などです。
「自分で”すごい”と言っている」のと「他人が”すごい”と言っている」のでは、説得力がまったく違う。これはGoogleも同じ判断をしています。中小企業が一朝一夕に権威性を高めるのは難しいですが、地元メディアへの掲載、商工会議所での登壇、業界ディレクトリへの掲載など、地道に積み上げる方法はあります。
Trustworthiness(信頼性)——「この情報を信じていいか」
信頼性は、E-E-A-Tの中で最も重要な要素だとGoogleは明言しています。他の3つの要素が高くても、信頼できなければ意味がない。
具体的には、会社概要ページの充実(所在地、代表者名、連絡先の明記)、SSL対応(https化)、プライバシーポリシーの設置、情報の更新日の明示、引用元の明記などが評価されます。
意外と多いのが、「会社概要ページに代表者名も住所も電話番号もない」というケース。ユーザーにとって不安ですし、Googleから見ても「この会社は実在するのか?」と判断されるリスクがあります。
なぜ今E-E-A-Tが重要なのか
理由は2つあります。
1つ目は、AIが生成するコンテンツが爆発的に増えていること。ChatGPTやClaudeを使えば、それなりの記事が誰でも作れるようになりました。その結果、Web上には「内容は正しいが、誰が書いたかわからない」コンテンツが溢れています。Googleはこの洪水の中から「信頼できる情報」を見分ける必要があり、E-E-A-Tの重要度は上がり続けています。
2つ目は、YMYL(Your Money or Your Life)領域の拡大。健康、お金、法律、安全に関わる情報では、E-E-A-Tの基準がさらに厳格に適用されます。しかし最近は、YMYL以外の一般的なビジネス情報でもE-E-A-Tが影響するようになっています。たとえば「ホームページ制作会社 選び方」のような記事でも、実際に制作会社を運営している人間が書いた記事と、アフィリエイト目的のまとめ記事では、評価に差が出ます。
さらに言えば、AI検索(ChatGPTやGeminiの回答)がE-E-A-Tの高い情報を優先的に引用する傾向も出てきています。AIは回答を生成するとき、「どのサイトの情報を信頼するか」を判断しています。そのとき参照されるのは、やはり経験に裏打ちされた専門サイトです。つまりE-E-A-Tの強化は、Google検索だけでなくAI検索でも自社が引用される確率を上げる施策になります。
中小企業はE-E-A-Tで有利になれる
ここで一つ、中小企業にとっての朗報があります。
E-E-A-Tの4つの要素のうち、最初の「E(経験)」は中小企業が最も持ちやすい要素です。大手メディアには「取材力」があっても、「現場で毎日やっている経験」はありません。
たとえば、施設建設の会社が「工場の床材は用途によって選び方がまったく違う」と書く。これは毎日現場を見ている人間だから書ける記事であり、大手建設メディアのライターには書けません。
運送会社が「真夏の配送で荷物が傷まないために現場でやっている3つの工夫」と書く。これも同じです。
当社のクライアントの多くは、「うちなんか専門家じゃないし」と言います。でも、10年以上その業界で事業をしている時点で、Googleが求める「経験」と「専門性」をすでに持っている。足りないのは、それを言語化してWeb上に出すことだけです。
今日からできるE-E-A-T改善5つ
難しい施策は不要です。以下の5つは、今日からでも始められます。
著者情報を記事に明記する。 「この記事を書いた人」として、名前・役職・経歴を記事の末尾に入れる。「代表取締役 ○○、Web制作業界15年」のような一行でいい。Googleはこの情報を拾います。
会社概要ページを充実させる。 代表者名、所在地、電話番号、設立年、事業内容、資格・認証。最低限この6項目を明記する。写真があるとさらに良い。
自社の「経験」を記事に入れる。 「当社の場合は~」「実際にやってみると~」「クライアントの事例では~」——一般論ではなく、自社の経験に基づいた記述を意識的に入れる。これが「Experience」の直接的なシグナルになります。
情報の更新日を表示する。 WordPressであれば「最終更新日」を自動表示する設定にしておく。古い情報がそのままになっていると、信頼性の評価が下がります。
Googleビジネスプロフィールを最新に保つ。 住所、営業時間、写真、投稿を定期的に更新する。これは信頼性と権威性の両方に効きます。
まとめ
E-E-A-Tは、「小手先のSEOテクニック」ではなく「そのコンテンツが本物かどうか」を問う評価基準です。だからこそ、現場で毎日仕事をしている中小企業は、本質的に有利なポジションにいます。
足りないのは「経験」でも「専門性」でもありません。それを「Webに出す」というアクションだけです。
あなたの会社が持っている「当たり前の業務知識」は、Googleが求めている「経験」そのものです。それを記事にして公開するだけで、SEOの評価は変わります。
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