“よくある質問”ページを舐めてはいけない——FAQ1つで問い合わせの質が劇的に変わる理由

コラム

ホームページの中で、最も軽視されているページは何か。おそらく「よくある質問(FAQ)」ページです。

「うちにはそんなページいらないよ」「質問があれば電話してもらえばいい」——こう考えている経営者は多い。しかし、FAQページを正しく設計すると、ホームページの成果がまるで変わります。問い合わせの「数」が増えるだけでなく、「質」が上がるのです。

「質が上がる」とはどういうことか。営業現場でよくある悩みを思い出してください。電話やメールで届く問い合わせの中に、「そもそもうちのサービス対象外のお客様」「予算感がまったく合わない相談」「同じ質問を何度も聞かれる」——こうした”空振り”の問い合わせが多いと、対応に時間を取られるだけで成約にはつながりません。

FAQページは、この問題を解決するフィルターとして機能します。

FAQは「問い合わせを減らす」ものではない

「FAQを充実させたら問い合わせが減ってしまうのでは?」という不安をよく聞きます。結論から言えば、減るのは「質の低い問い合わせ」であり、「質の高い問い合わせ」はむしろ増えます。

なぜか。FAQを読んだ人は、問い合わせる前に基本的な情報をすでに理解しています。費用の目安も、対応範囲も、納期の目安も把握したうえで「それでも相談したい」と思って連絡してくる。つまり、FAQを読み込んだうえでの問い合わせは、成約確度が高いのです。

逆にFAQがないと何が起きるか。基本的な情報がわからないまま「とりあえず聞いてみよう」という問い合わせが増えます。対応するたびに同じ説明を繰り返し、結局「思ったより高かった」「うちには合わない」で終わる。社員の時間が奪われるだけで、売上にはつながりません。

ある建設会社では、「対応エリア外からの問い合わせ」が全体の3割を占めていたそうです。FAQに「対応エリアは埼玉県北部・群馬県南部です」と明記しただけで、エリア外からの問い合わせがほぼゼロになり、営業スタッフが本来のお客様対応に集中できるようになった。たった1行のFAQが、現場の生産性を変えた好例です。

FAQは問い合わせの「数」を減らすのではなく、問い合わせの「質」を上げる装置。この認識を持つことが出発点です。

「よくある質問」に何を書けばいいのか

FAQに書くべき内容は、実は社内にすべて揃っています。以下の3つのソースから質問を集めましょう。

ソース① 営業・事務スタッフに聞く 「お客様からよく聞かれる質問は何ですか?」と社内で聞いてみてください。営業マンや事務スタッフは、毎日のように同じ質問に答えています。「費用はいくらですか」「対応エリアはどこまでですか」「納期はどのくらいですか」——これらはそのままFAQの項目になります。

ソース② 過去の問い合わせメール・電話記録 過去1年間の問い合わせ内容を振り返ると、同じ質問が繰り返し出てくることに気づくはずです。頻度の高い質問から順にFAQに載せましょう。1つの質問を掲載するだけで、その質問への電話対応が月に数件減ることもあります。1件の電話対応に5分かかるとして、月10件なら50分。年間で10時間の削減です。たかがFAQ1項目と思うかもしれませんが、積み重なると無視できない時間になります。

ソース③ 商談で「聞かれたら困る質問」 「他社と何が違うんですか」「なぜ御社に頼む必要があるんですか」「安い業者もあるのに、なぜこの価格なんですか」——こうした”痛い質問”こそ、FAQに先回りで回答しておくべきです。商談の場で聞かれると答えにくい質問も、文章で整理すれば説得力のある回答が作れます。

しかも、FAQでこれらに答えておくと、商談の場では「すでにFAQを読んで納得済み」の状態で話が始まるため、商談の効率が格段に上がります。価格の理由を説明する必要がなくなり、本題の「お客様の課題をどう解決するか」にすぐ入れる。FAQは営業マンの仕事を楽にするツールでもあるのです。

この3つのソースから質問を集めれば、最低でも15〜20個はリストアップできるはずです。そこから優先度の高い10個を選んで公開する。残りはストックとして、月に数個ずつ追加していきましょう。

FAQ作成の5つのルール

質問を集めたら、次は「読まれるFAQ」にするための書き方が重要です。

ルール① 質問文は「お客様の言葉」で書く 「サービス提供エリアについて」ではなく「埼玉県以外にも対応していますか?」と書く。「料金体系のご案内」ではなく「ホームページ制作の費用はいくらですか?」と書く。お客様が実際に口にする言葉をそのまま使うことで、「あ、自分が聞きたいことだ」と感じてもらえます。これは検索エンジン対策にもなります。お客様が検索する言葉とFAQの質問文が一致すれば、Google検索から直接FAQページにたどり着く流入も期待できます。

ルール② 回答は結論から書く 「はい、対応しています」「費用の目安は◯万円〜◯万円です」と、まず結論を1文で示す。その後に補足説明を加える。結論が後ろにあるとイライラして読むのをやめてしまう人が多いため、最初の1文で答えを出しましょう。

ルール③ 回答は具体的に書く 「費用はケースによって異なります」——これはFAQとして最悪の回答です。聞きたいのは「だいたいどのくらいか」の目安。「◯◯の場合、費用の目安は◯万円〜◯万円です。正確なお見積もりは無料で承ります」と書けば、目安を伝えつつ問い合わせへの導線にもなります。「ケースによる」と書きたい気持ちはわかりますが、それならケースごとに分けて書きましょう。「小規模な場合:◯万円〜」「大規模な場合:◯万円〜」のように具体例を出すだけで、回答の価値はまったく変わります。

ルール④ 1つの質問に1つの回答 1つのQ&Aに複数のテーマを詰め込まない。「費用と納期と対応エリアについて」のような質問は、3つに分割しましょう。質問が細かく分かれている方が、自分の知りたい情報にたどり着きやすくなります。

ルール⑤ 回答の最後に「次のアクション」を置く 回答で疑問が解消された後、訪問者がそのままページを閉じてしまっては意味がありません。「詳しくはこちらのサービスページをご覧ください」「ご不明点はお気軽にお問い合わせください」と、次のステップへの導線を必ず添えましょう。FAQは「ゴール」ではなく「通過点」。問い合わせや資料請求への橋渡しとして設計することで、FAQページ自体がコンバージョンポイントになります。

FAQがSEOとAI検索に効く理由

FAQページには、集客装置としての隠れた効果があります。

Googleは「よくある質問」形式のコンテンツを好んで検索結果に表示します。「リッチリザルト」と呼ばれる形式で、検索結果の中にQ&Aが直接表示されることがあります。これが表示されると、通常の検索結果よりもクリック率が大幅に高まります。

さらに、Q&A形式はAI検索(ChatGPT、Claude、Geminiなど)にとっても拾いやすいフォーマットです。AIは明確な質問と回答のペアを好むため、FAQの内容がAIの回答に引用される可能性が高くなります。つまりFAQは、Google検索とAI検索の両方で自社の露出を増やす二重の効果を持っています。

FAQの質問文に検索されやすいキーワードを自然に含めることで、この効果はさらに高まります。「運送業 ドライバー採用 費用」「建設 倉庫 工期」——こうしたキーワードを質問文に織り込めば、狙った検索クエリでFAQページが上位表示される可能性が出てきます。

構造化データ(FAQ構造化マークアップ)を実装すれば、リッチリザルトの表示確率がさらに上がります。WordPressを使っている場合はプラグインで簡単に実装できるため、制作会社に相談してみましょう。

まずは10個のFAQから始めよう

最初から50個も100個も作る必要はありません。まずは10個でスタートしましょう。営業スタッフに「よく聞かれる質問トップ10」を挙げてもらい、それぞれに具体的な回答を書くだけです。

参考までに、業種を問わず使える「鉄板FAQ」を挙げておきます。費用の目安は?対応エリアは?納期はどのくらい?見積もりは無料?他社との違いは?どんな実績がある?キャンセルはできる?支払い方法は?——これらは、ほぼすべての業種でお客様が知りたがっている質問です。ここに自社の業界特有の質問を加えれば、10個はすぐに揃います。

10個のFAQを公開したら、月に1〜2個ずつ追加していく。新しい質問がお客様から来るたびに「これはFAQに追加すべきか?」と考える癖をつける。半年後には20〜30個のFAQが揃い、それだけで検索流入も増え、電話対応の負担も減り、問い合わせの質も上がっている——この好循環が回り始めます。

当社がFAQページの企画・制作をサポートします

マスタングでは、「どんな質問を載せるべきか」の選定から、SEO・AI検索に最適化されたFAQページの構築まで対応しています。既存のホームページにFAQセクションを追加するだけでも効果は出ます。また、FAQの内容をベースにしたAIチャットボットを導入すれば、24時間自動で質問に回答できる仕組みも構築可能です。お気軽にご相談ください。

Web制作・SEO・HP改善のご相談はこちらAIチャットボットで問い合わせ対応を自動化したい方はこちら

→ 関連記事: あなたの会社が”地域で一番詳しい会社”になる方法——専門性をネット上で証明するコンテンツ戦略 → 関連記事: 社長が書いたブログが読まれない本当の理由——”日記”と”集客コンテンツ”の決定的な違い

コメント

タイトルとURLをコピーしました