
御社のホームページ、最後までスクロールされていますか?
Googleアナリティクスで平均滞在時間を見ると、多くの中小企業サイトで「30秒以下」という数字が出てきます。トップページの途中で離脱されているということです。しかも、そのサイトが「デザインが悪い」わけではない。むしろ、制作会社に依頼してきれいに作ってもらったサイトでも、この現象は起きています。
原因はシンプルです。訪問者が「上から下にスクロールして読む」という行動パターンに合わせて、コンテンツが並んでいない。チラシやパンフレットは好きなところから目を通せますが、ホームページは違います。必ず画面の上から順に目に入る。この当たり前の事実を無視した構成になっているサイトが、驚くほど多いのです。
今回は、トップページを「上から下に1回スクロールするだけで問い合わせにつながる構成」に変える方法を解説します。
「きれいなHP」と「問い合わせが来るHP」は構造がまったく違う
制作会社にデザインを依頼すると、見た目は整ったサイトが納品されます。配色もフォントもバランスが良い。写真もプロが撮影したものが使われている。ところが、公開して3ヶ月経っても問い合わせがゼロ——こういうケースは珍しくありません。
原因は「構造の違い」にあります。
| 項目 | きれいなだけのHP | 問い合わせが来るHP |
|---|---|---|
| ファーストビュー | おしゃれな写真+社名ロゴ | 「誰の・何を解決するか」が3秒で伝わるコピー |
| スクロール中盤 | サービス一覧が均等に並ぶ | 訪問者の悩みに共感し、解決策として自社を提示 |
| ページ下部 | 会社概要と地図で終わる | 電話・フォーム・LINEなど明確な行動導線 |
| 全体設計 | カタログ型(情報の羅列) | ファネル型(心理の流れに沿った導線) |
ここで言う「ファネル設計」とは、訪問者の心理を「知る→共感する→信頼する→行動する」の順で動かすページ構成のこと。見た目の美しさとは別次元の「設計思想」です。この設計が入っているかどうかが、問い合わせゼロと月5件の分岐点になります。
トップページに必要な「黄金の7ブロック」とその順番
問い合わせが来るトップページには、以下の7つのブロックが「この順番で」並んでいます。順番が入れ替わるだけで効果は激減するため、配置には意味があります。
ブロック① ファーストビュー——3秒の勝負
画面を開いた瞬間に「このサイトは自分に関係がある」と思わせるキャッチコピー。ここで業種名・地域名・課題を含めると、検索意図ともマッチします。「埼玉北部・群馬南部の建設工事なら」「運送業の求人にお困りの方へ」のように、ターゲットを絞り込んだ一文が理想です。逆に「私たちは◯◯を大切にしています」のような抽象的な理念文は、この位置では機能しません。訪問者は会社の理念を読みに来たのではなく、自分の悩みを解決してくれる相手を探しに来ているからです。
ブロック② 悩み共感——訪問者の心の声を代弁する
「こんなお悩みありませんか?」と、ターゲットが抱えている課題を3〜5つ列挙するセクションです。「ホームページを作ったのに問い合わせが来ない」「競合に検索順位で負けている」「自社の強みをうまく言葉にできない」——こうした悩みを見た訪問者は「この会社は自分のことをわかっている」と感じます。この「わかってもらえた感」が、次のブロックへスクロールする動機になります。ここを飛ばしていきなりサービス紹介に入ると、訪問者は「売り込まれている」と感じて離脱します。
ブロック③ 解決策の提示——サービスを”答え”として見せる
ブロック②で提示した悩みに対する「答え」として、自社のサービスを紹介します。重要なのは、サービスの機能や仕様を並べるのではなく、「お客様がどうなるか」という結果を中心に書くこと。「ホームページ制作」と書くより「月5件の問い合わせが来るホームページを設計します」と書く方が、訪問者には刺さります。「手段」ではなく「成果」を語るのがコツです。
ブロック④ 実績・数字——信頼の裏付け
「創業◯年」「年間施工実績◯件」「リピート率◯%」「取引先◯社」。具体的な数字が並ぶだけで、ページ全体の信頼度は格段に上がります。人間の脳は数字を見ると「客観的な情報」として処理する性質があるため、漠然と「実績豊富です」と書くよりも、1つでも具体的な数字を入れた方が効果的です。写真付きの施工事例や導入事例へのリンクがあれば、さらに説得力が増します。
ブロック⑤ お客様の声——第三者の証言が最強
自社が「うちのサービスは良いです」と100回言うよりも、お客様が「ここに頼んで良かった」と1回言う方が説得力があります。顔写真・社名入りの声が理想ですが、取得が難しければ手書きアンケートの写真や、Googleマップの口コミスクリーンショットでも十分です。重要なのは「第三者が評価している」という事実が伝わることです。
ブロック⑥ 選ばれる理由——競合との差別化ポイント
「なぜ他社ではなく御社を選ぶべきなのか」を3つ程度に絞って伝えます。価格・対応スピード・地域密着・専門性・アフターサポートなど、軸は業種によって異なりますが、共通するのは「お客様にとってのメリット」として表現すること。「当社は創業30年」ではなく「30年の経験があるから、想定外のトラブルにも即対応できます」と書く方が、訪問者の心に届きます。
ブロック⑦ CTA(行動喚起)——迷わせない導線設計
電話番号・問い合わせフォーム・LINEなど、訪問者が「次に何をすればいいか」を1秒で判断できる設計にします。ボタンの色やサイズも大事ですが、最も重要なのは「ここに到達するまでの6ブロックで十分な動機づけができているか」です。動機がないのにボタンだけ目立たせても、クリックはされません。
ほとんどのサイトが陥る3つの失敗パターン
失敗① ファーストビューが「社名+社屋の写真」で終わっている
初めて訪れた人にとって、社名は何の情報にもなりません。「何をしてくれる会社なのか」が3秒で伝わらなければ、検索結果に戻られます。社名検索で来る既存客にしか通用しない構成です。
失敗② 悩み共感なしでいきなりサービス紹介
飲食店に入って席に着いた瞬間、メニューの説明を延々とされたらどう感じるか。まずは「今日はどういったものをお探しですか?」と聞いてくれる店の方が心地よい。ホームページも同じで、訪問者の気持ちを受け止めるワンクッションがないと、どんなに良いサービスでも「押し売り」に見えてしまいます。
失敗③ 問い合わせボタンがページ最下部にしかない
7ブロックすべてを読まなくても、ブロック③あたりで「問い合わせてみよう」と思う訪問者は一定数います。しかしCTAが最下部にしかなければ、その人はボタンを探してスクロールし、見つからずに離脱する。CTAはブロック③の後、ブロック⑤の後、そして最下部の最低3箇所に配置するのが鉄則です。
業種別・ファーストビューの良い例と悪い例
黄金の7ブロックの中でも、特に差が出やすいのがブロック①のファーストビューです。業種別に「刺さるコピー」と「刺さらないコピー」を比較してみましょう。
| 業種 | 刺さらないコピー | 刺さるコピー |
|---|---|---|
| 塗装・リフォーム | 「お客様の笑顔のために」 | 「熊谷・深谷で外壁塗装、見積もり無料・最短3日で着工」 |
| 運送会社 | 「信頼と実績の物流パートナー」 | 「ドライバー不足でお困りの企業様へ——即日対応の配送代行」 |
| 建設会社 | 「創業40年の技術と信頼」 | 「埼玉北部の公共工事、年間施工実績120件の実力」 |
| Web制作会社 | 「クリエイティブで未来を拓く」 | 「ホームページを作ったのに問い合わせゼロ?原因は”構成”にあります」 |
左列はどれも「何となく良いことを言っている」のですが、訪問者にとっては「自分に関係があるかどうか」が判断できません。右列のように、地域名・業種名・具体的な悩みや数字を入れることで、ターゲットに「これは自分のことだ」と感じてもらえます。
ファネル設計は「作って終わり」ではない
7ブロックの概念を知ること自体は難しくありません。しかし実際に「自社の強みを言語化する」「ターゲットの悩みを的確に抽出する」「行動を促すコピーライティング」となると、社内だけでは手が止まりがちです。
さらに重要なのは、公開後の改善です。Googleアナリティクスでスクロール到達率を計測し、離脱が多いブロックの文言を変える。CTAのボタンの色や文言をABテストする。ヒートマップツールを使えば「訪問者がどこで手を止めたか」「どこでページを閉じたか」が視覚的にわかります。
この「設計→公開→分析→改善」のサイクルを回し続けることで、問い合わせ率は月を追うごとに上がっていきます。1回のリニューアルで完璧を目指すよりも、小さな改善を積み重ねるアプローチの方が、結果的に費用対効果は高くなります。
今すぐできるセルフチェック
自社のトップページを開いて、以下の5項目を確認してみてください。1つでも「いいえ」があれば、ファネル設計の見直しで問い合わせ数が改善する可能性があります。
①ファーストビューに「誰のための会社か」が書かれているか? ②悩み共感のセクションがサービス紹介の前にあるか? ③実績やお客様の声が掲載されているか? ④問い合わせボタンはページ内に2箇所以上あるか? ⑤スマートフォンで見たときも、上記の順番が崩れていないか?
特に⑤は見落とされがちです。パソコンでは左右2カラムでレイアウトしていても、スマートフォンでは縦1列に並び替えられます。その際にブロックの順番が意図と異なる並びになっていることがあり、せっかくのファネル設計が機能しなくなります。
当社がトップページのファネル設計をお手伝いします
マスタングでは、トップページの構成設計から文言作成、公開後のアクセス解析・改善提案まで一貫して対応しています。「デザインはきれいなのに問い合わせが来ない」「リニューアルしたいけど何を変えればいいかわからない」というお悩みをお持ちでしたら、まずは現状のサイト診断からお気軽にご相談ください。


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