
「制作会社に100万円かけて作ってもらったのに、半年で問い合わせが1件もない」。こういう相談が、実は一番多いです。
デザインが悪いわけではありません。むしろ、見た目はきれいなのです。配色のバランスも良い、写真もプロが撮影している、スマートフォンでも崩れない。なのに問い合わせがゼロ。この現象には、明確な原因があります。
結論から言えば「デザイン」と「設計」は別物だということです。デザインとは見た目の美しさ。設計とは、訪問者を問い合わせまで導く「仕組み」のこと。きれいなのに問い合わせが来ないホームページには、例外なくこの「設計」が抜けています。
この記事では、見た目100点なのに成果ゼロのサイトに共通する5つの特徴と、既存のデザインを活かしたまま問い合わせを増やす方法を解説します。
見た目100点・設計0点のホームページに共通する5つの特徴
制作会社に依頼して作ったきれいなサイトでも、以下の特徴があれば問い合わせにはつながりません。当社がこれまで診断してきたサイトに共通するパターンです。
特徴① ファーストビューが「雰囲気重視」で終わっている
画面を開いた瞬間に目に入るのが、美しい風景写真と抽象的なキャッチコピー。「未来を、ともに。」「信頼と実績のパートナー」——こうしたフレーズはイメージは伝わりますが、「何をしてくれる会社なのか」がわかりません。初めて訪れた人は、3秒以内に「自分に関係があるサイトかどうか」を判断します。その3秒で「よくわからない」と思われたら、検索結果に戻られて終わりです。
制作会社はデザインのプロなので、ファーストビューの「見た目」は確実にきれいに仕上げてくれます。しかし「このキャッチコピーでターゲットに伝わるか」「検索してきた人の意図に合っているか」という視点は、発注側が持っていないと抜け落ちやすいポイントです。
特徴② 「誰に向けたサイトか」が不明
会社案内のように「事業内容:Web制作、システム開発、コンサルティング」と並んでいるだけで、「誰の」「どんな悩みを」解決する会社なのかが書かれていない。すべての人に向けたメッセージは、結局誰にも刺さりません。
「運送業の人手不足でお困りの経営者様へ」「建設業のホームページからもっと問い合わせが欲しい方へ」と絞り込んだ方が、該当する人には圧倒的に響きます。「ターゲットを絞ると客が減るのでは?」と心配される方がいますが、実際はその逆で、絞り込むほど「自分のことだ」と感じる訪問者が増え、問い合わせ率は上がります。
特徴③ サービス紹介が「機能説明」になっている
「レスポンシブデザイン対応」「CMS搭載」「SSL対応」——これらは正しい情報ですが、訪問者が知りたいのは「それで自分がどうなるのか」です。「スマホからのアクセスでも見やすく、問い合わせ率が上がるデザイン」と書き換えるだけで、同じ内容でも伝わり方がまったく変わります。
これは業種を問わず同じです。建設業なら「鉄骨造に対応」ではなく「大型倉庫の建設もワンストップで対応、工期を◯日短縮」。運送業なら「GPS管理システム導入済」ではなく「リアルタイムで配送状況を確認でき、荷主様への報告工数がゼロに」。手段ではなく成果を語ることが、訪問者を動かすコピーの基本です。
特徴④ 「お客様の声」や「実績」が載っていない
きれいなデザインのサイトほど、余白を大切にするあまり情報量が少なくなりがちです。しかし、訪問者が問い合わせを決断するには「この会社は信頼できる」という裏付けが必要です。施工実績、導入事例、お客様の声、具体的な数字——これらが1つもないサイトは、どれだけきれいでも「本当に大丈夫かな」という不安を払拭できません。
「創業◯年」「年間対応◯件」「リピート率◯%」——たった1つの数字を載せるだけでも、サイト全体の信頼感は大きく変わります。お客様の声も、顔写真と社名付きが理想ですが、手書きアンケートの写真やGoogleマップの口コミ引用でも十分です。
特徴⑤ 問い合わせへの導線が弱い(またはない)
ページの一番下に小さく「お問い合わせ」のリンクがあるだけ。しかも、クリックするとフォームの入力項目が10個以上あって面倒くさそう。これでは、問い合わせの意欲があった人すら途中で離脱します。
電話番号・フォーム・LINEなど複数の選択肢を用意し、ページの途中にも配置するのが基本です。「まずは無料相談」「お見積もりだけでもOK」のように、心理的なハードルを下げる一言があるかないかでもクリック率は変わります。問い合わせボタンのデザインがきれいかどうかよりも、「押す理由があるか」「押しやすい位置にあるか」の方がはるかに重要です。
「デザイン」と「設計」の違いを比較表で見る
同じ制作費をかけても、デザインだけに注力したサイトと設計を組み込んだサイトでは、成果がまったく異なります。
| 項目 | デザイン重視のサイト | 設計込みのサイト |
|---|---|---|
| ファーストビュー | ブランドイメージを伝える | ターゲットの悩みに刺さるコピー |
| コンテンツの順番 | 制作会社のテンプレート通り | 訪問者の心理に沿った配置 |
| サービス紹介 | 機能・スペックの羅列 | 「あなたがどう変わるか」を提示 |
| 信頼性の担保 | 会社概要ページのみ | 実績・数字・お客様の声を掲載 |
| 問い合わせ導線 | ページ最下部に1箇所 | ページ中盤にも複数配置 |
| 公開後の運用 | 作って納品して終わり | アクセス解析→改善のサイクル |
デザインが不要だという話ではありません。見た目が悪いサイトは、そもそも信頼されません。ただ、デザインだけでは問い合わせは生まれない。デザイン+設計の両方が揃って初めて、ホームページは「営業ツール」として機能します。
最も多いのは、上の表で言う「デザイン重視」の列にすべて当てはまるサイトです。制作費の大半がデザインとコーディングに使われ、「訪問者をどう動かすか」の設計工程がそもそも見積もりに入っていない。これは制作会社が悪いのではなく、業界全体の構造的な問題でもあります。
制作会社に「設計」を頼んでいましたか?
問い合わせが来ない原因が、実は制作時の発注内容にあるケースは少なくありません。
「きれいなサイトを作ってほしい」と依頼すれば、制作会社はデザインに注力します。それは当然です。しかし「ホームページから月◯件の問い合わせが欲しい」と依頼すれば、制作会社の提案内容は変わります。ファーストビューのコピー、コンテンツの配置順、CTAの設計——見た目の話ではなく、「どうすれば訪問者が行動するか」の設計が含まれるようになるからです。
つまり、発注する側が「何のためにホームページを作るのか」を明確にしているかどうかが、完成後の成果を大きく左右します。もし「きれいなものを」としか伝えていなかったなら、問い合わせが来ないのは制作会社のせいではなく、発注の仕方に改善の余地があるかもしれません。
これからホームページを発注する方、あるいはリニューアルを検討している方は、「デザインはどうしたいか」に加えて「月に何件の問い合わせが欲しいか」「どんな人に見てもらいたいか」を制作会社に伝えてみてください。その一言があるだけで、制作会社からの提案の質は格段に変わります。
きれいなサイトを「活かす」ために必要なこと
すでにきれいなサイトを持っている場合、ゼロから作り直す必要はありません。既存のデザインを活かしながら「設計」を後から組み込むことは十分可能です。
具体的には、ファーストビューのキャッチコピーを「誰の何を解決するか」が伝わるものに差し替える。サービス紹介の前に悩み共感セクションを追加する。実績やお客様の声を掲載する。問い合わせボタンをページ途中にも配置する。これらの改修は、フルリニューアルに比べてはるかに少ないコストで実施できます。
「でも、どこから手をつければいいかわからない」という場合は、まずGoogleアナリティクスで現状を確認することをおすすめします。トップページの直帰率が70%を超えていたらファーストビューに問題がある可能性が高い。滞在時間が30秒以下なら、コンテンツが訪問者の期待と合っていないサインです。
重要なのは、改修した後の「検証」です。スクロール率や離脱ポイントを確認し、効果が出ているかを測定する。数字を見ながら改善を重ねることで、きれいなだけだったサイトが「問い合わせを生むサイト」に変わっていきます。一度の改修で完璧を目指す必要はありません。小さな改善を毎月1つずつ積み重ねるだけで、半年後には見違えるような成果が出ているはずです。
自社サイトの「設計度」をセルフチェック
以下の項目を、自社のトップページを開きながら確認してみてください。
①ファーストビューに「誰の・何を解決する会社か」が書かれているか? ②サービス紹介の前に、訪問者の悩みに共感するセクションがあるか? ③サービスの説明が「機能」ではなく「お客様が得られる成果」で書かれているか? ④実績の数字やお客様の声が掲載されているか? ⑤問い合わせボタンがページ内に2箇所以上あるか? ⑥スマートフォンで見ても、上記の順番が崩れていないか?
3つ以上「いいえ」なら、デザインの問題ではなく設計の問題です。見た目を変えなくても、構成とコピーを見直すだけで問い合わせ率は変わります。
当社が「きれいだけど成果が出ないHP」を診断・改善します
マスタングでは、既存ホームページの診断から、ファネル設計の組み込み、公開後のアクセス解析・改善提案まで一貫して対応しています。「デザインは気に入っているけど問い合わせが来ない」「フルリニューアルか部分改修か判断がつかない」「そもそも何が原因かわからない」という方は、まずは現状サイトの無料診断からお気軽にご相談ください。きれいなサイトを「成果が出るサイト」に変えるお手伝いをします。
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