
「Claudeの画面右側に何か表示されるけど、あれは何?どう使えばいいの?」
Claudeを使っていると、回答がチャット欄だけでなく、画面の右側に別ウィンドウで表示されることがあります。これが「アーティファクト(Artifacts)」機能です。
技術系の記事では「コード生成」「プログラミング支援」の文脈で紹介されることが多いですが、実はプログラミングの知識がなくても十分に活用できます。
この記事では、中小企業の経営者やWeb担当者が「今日から使える」アーティファクトの活用法を紹介します。
アーティファクトとは
アーティファクトは、Claudeが生成したコンテンツを、チャット画面とは別の専用ウィンドウに表示する機能です。
普通にClaudeと会話すると、回答はチャット欄に文章として流れていきます。しかし、ある程度の長さや複雑さを持つコンテンツ(文書、コード、図表、HTMLなど)を生成すると、右側のウィンドウに独立して表示されます。
この仕組みの利点は3つあります。
1つ目は、コンテンツの見やすさ。長い文章やコードがチャットの流れに埋もれず、独立した画面で確認できます。
2つ目は、修正のしやすさ。「ここを直して」とチャットで伝えるだけで、右側のコンテンツが更新されます。過去のバージョンに戻すことも可能です。
3つ目は、共有とダウンロード。完成したコンテンツはコピー、ダウンロード、URLでの共有ができます。PDFとしてダウンロードすることも可能です。
有効化の確認
アーティファクト機能はすべてのプラン(無料・Pro・Team・Enterprise)で利用できます。
設定を確認するには、画面左下のアカウント名をクリック → 「設定」 → 「プロフィール」 → 「Claudeの機能」の中にある「アーティファクト」がオンになっているか確認してください。
通常は最初からオンになっていますが、もし右側にウィンドウが表示されない場合は、この設定を確認しましょう。
活用法1:報告書や企画書の作成
最もシンプルで実用的な使い方です。
Claudeに報告書や企画書を作成してもらうと、ある程度の分量がある場合はアーティファクトとして右側に表示されます。チャット欄には補足説明が、右側には完成した文書が表示されるので、内容の確認がしやすくなります。
試してみてください。
以下の内容で月次報告書を作成してください。アーティファクトとして表示してください。
【対象月】2026年1月
【報告事項】
・新規問い合わせ:15件(前月比+3件)
・受注:5件(前月比+1件)
・進行中のプロジェクト:8件
・来月の予定:新サービスのLP制作開始
形式:Markdown
右側に表示された報告書を見ながら、「もう少し詳しく書いて」「グラフも追加して」と修正を依頼できます。完成したらダウンロードすれば、そのまま社内で共有できます。
活用法2:Webページのプロトタイプ作成
アーティファクトの真価が発揮されるのが、Webページのプロトタイプ(試作品)作成です。プログラミングの知識は不要です。
例えば、こんな指示を出してみてください。
自社のサービス紹介ページのプロトタイプを作ってください。
【会社情報】
・業種:Web制作会社
・サービス:ホームページ制作、SEO対策、AI導入支援
・ターゲット:埼玉県北部の中小企業
【ページ構成】
・ヘッダー(会社ロゴ、ナビゲーション)
・メインビジュアル(キャッチコピー付き)
・サービス紹介(3つ並べて表示)
・お問い合わせボタン
HTMLとCSSで作成し、アーティファクトとして表示してください。
すると、右側のウィンドウに実際のWebページのプレビューが表示されます。色やレイアウトを確認しながら「ヘッダーの色を紺に変えて」「フォントをもう少し大きくして」と調整できます。
このプロトタイプをデザイナーや制作会社に渡せば、「こんなイメージで作りたい」という共有が格段にスムーズになります。
活用法3:グラフや図表の作成
データを渡して「グラフにして」と指示するだけで、視覚的なグラフがアーティファクトとして生成されます。
以下のデータを棒グラフにしてください。
月次問い合わせ数(2025年)
1月:8件
2月:10件
3月:12件
4月:15件
5月:11件
6月:18件
縦軸は件数、横軸は月。棒の色は青系でお願いします。
タイトルは「2025年 月次問い合わせ推移」としてください。
生成されたグラフは画像としてダウンロードでき、プレゼン資料や報告書にそのまま貼り付けられます。Excelでグラフを作るよりも圧倒的に早く、見た目もきれいです。
活用法4:業務マニュアルの作成
社内の業務手順をまとめたマニュアルも、アーティファクトで効率的に作れます。
以下の業務手順をマニュアル形式で作成してください。
【業務名】新規問い合わせ対応フロー
【対象者】事務スタッフ
【手順】
1. 問い合わせメールが届いたら、24時間以内に一次返信する
2. 内容を確認し、該当する担当者に転送する
3. 担当者は3営業日以内に詳細回答を送る
4. 対応完了後、管理スプレッドシートに記録する
注意事項や判断基準も補足してください。
見出し・番号付きで読みやすく整形してください。
マニュアルが右側に整形された状態で表示されるので、内容を確認しながら追記や修正を依頼できます。PDFでダウンロードすれば、そのまま社内配布用のマニュアルになります。
活用法5:計算ツールや見積もりシートの作成
これはアーティファクトならではの活用法です。簡単な計算ツールを、Claudeに作ってもらえます。
ホームページ制作の見積もりシミュレーターを作ってください。
以下の項目をチェックボックスで選択すると、合計金額が自動計算される仕組みにしてください。
・トップページデザイン:150,000円
・下層ページ(1ページあたり):30,000円 ×ページ数
・お問い合わせフォーム設置:50,000円
・SEO初期設定:80,000円
・スマートフォン対応:100,000円
・ブログ機能(WordPress):120,000円
合計金額をリアルタイムで表示してください。
右側のウィンドウに、実際に操作できるシミュレーターが表示されます。チェックを入れたり数量を変えたりすると、合計金額がリアルタイムで変わります。このシミュレーターのURLを共有すれば、お客さんに「この中から必要なものを選んでください」と案内することもできます。
アーティファクトを上手に使うコツ
コツ1:「アーティファクトとして表示して」と明示する
Claudeは自動でアーティファクト表示にするかどうかを判断しますが、短い文章の場合はチャット内に表示されることもあります。確実にアーティファクトで表示したい場合は、「アーティファクトとして表示してください」とプロンプトに含めてください。
コツ2:バージョン管理を活用する
修正を依頼するたびに、アーティファクトの新しいバージョンが作成されます。上部のバージョンセレクターで過去のバージョンに戻せるので、「前の方が良かった」という場合も安心です。
コツ3:ダウンロードして活用する
完成したコンテンツは右下のアイコンからダウンロードできます。Markdownのドキュメントはそのままコピーして使えますし、HTMLはブラウザで開けば確認できます。PDFとしてダウンロードすれば、そのまま印刷や共有が可能です。
プロジェクト機能と組み合わせると最強
プロジェクト機能に自社の情報(サービス内容、料金体系、顧客層など)を登録した上で、アーティファクトで報告書や見積もりを作成すると、毎回自社情報を入力する手間がなくなります。
「先月の報告書を作って」と指示するだけで、自社の文脈を理解した報告書がアーティファクトとして生成されます。
プロジェクト機能の使い方は「Claudeのプロジェクト機能の使い方|自社の情報をAIに覚えさせる方法」で、スタイル機能との連携は「Claudeの「スタイル」機能の使い方|毎回の指示が不要になる文体カスタマイズ術」で解説しています。
まとめ
アーティファクト機能は「プログラマー向け」のイメージが強いですが、実際には非エンジニアこそ活用すべき機能です。
報告書の作成、Webページのプロトタイプ確認、グラフの生成、業務マニュアルの整備、見積もりシミュレーターの作成。どれもプログラミングの知識なしで、日本語の指示だけで実現できます。
まずは次の報告書や資料作成で、「アーティファクトとして表示して」と一言添えてみてください。
Claudeの基本的な使い方は「Claudeとは?読み方・始め方から料金まで、最初に知っておくべきこと」で、すぐに使えるプロンプトは「Claudeプロンプト集|業務別にそのままコピペで使えるテンプレート20選」にまとめてあります。


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